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＿Iwamoto side＿
「正人さんは私の事好きじゃなかったと思う、
私もそばにいてくれる人が欲しかっただけ
だから付き合っていたけど元カノなんてたいそうなものじゃない。」
「そっか…。」
全て繋がっていたのか、
話を聞いてすべてが腑に落ちると
Aは俺の体からすり抜けてまた歩き出し
俺も隣をゆっくりついていった。
「私が元カノだって言い張ってお葬式に来て
遺書があるって言いだしたら
きっとあの女は慌てて僕の通帳を見るだろうって。」
「俺…じいちゃんのそんな姿見たことなかったから。」
「ふふ、みんな大概だけど
正人さんが一番の大嘘つきだね。」
「なんで言ってくれなかったんだろ…。」
小さい頃はともかく、
高校生にもなれば事実を受け止められたはず。
だから真実を話してくれてもよかったのにと
眉間に皺を寄せて考えているとAは笑った。
「祐樹さんが不倫したって照くんに吹き込んだ時
はらわたが煮えくり返りそうになったけど
この日のために我慢したんだって。」
「もうわけわかんねえ。」
「離婚も籍を抜くことも拒んだのは
息子が浮気された挙句癌で苦しんで死んだのに
あの女だけ幸せになるのが許せなかったからだって。」
だからどんなに憎くても籍を抜かせずに
あの2人が結ばれることを阻止したんだ。
いくら復讐のためとはいえ
相当精神的にきつかっただろう。
「最初に深澤くんをゆすって真実を話させたら、
2人揃ってあの女に話を聞きに行くだろうって」
「もし俺がふっかと仲たがいしたらどうすんだよ…」
「あの2人の仲はそんなんじゃ崩れないって言ってたよ。」
「全部お見通しってか…。」
どうやら俺の祖父は
想像以上に怒らせたらやばい人だったらしい。
全ての種明かしを終えたタイミングでAの家に着き
いつの間にか雨が止んでいた空を二人で見上げた。
「私明日引っ越すの、
ハンドメイドの仕事が軌道に乗ってさ
うちで働かないかって。」
「すげえじゃん。」
「私の役目ももう終わり！
あ、よかったら今度は自腹で買ってね。」
俺の鞄を指さしAは微笑むと
階段を駆け上がり家の中へ入った。
「このカエル作ったのAだったのかよ…。」
鞄から取り外し優しく手で包み込むと
雲の隙間から太陽の光が差し込んできた。
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ぴくみん(プロフ) - ぱぐたろさんの作品の一つ一つ伏線を回収していくお話が本当に好きで、今回もワクワクしながら読んでいたらあっという間にエンディングでした！今回の作品もとても面白かったです…いわふかの関係性が最高でした。 (2021年6月28日 3時) (
レス) id: 3b567ca5ed (このIDを非表示/違反報告)
みー - 他にはないジャンル？のお話で、一気読みしました！すごくおもしろかったです！ (2021年6月27日 23時) (レス) id: 978894b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年6月27日 20時
