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ふっかと向き合ったまま沈黙が続き
俺から口を開こうにもなんて声をかければいいかわからない。
俯いて拳を握り締めながらどうしようかと悩んでいると
ふっかは深呼吸をして重い口を開いた。
「ごめん。」
「いや、別に…浪人なんて珍しくないだろ？
ただなんで言ってくれなかったんだろうって。」
「…ごめん。」
「あのさあ…っ、
謝るぐらいなら全部説明しろよ…っ。」
何度も謝るだけで話そうとしないふっかに
怒りや悲しみとは違う涙が出そうになって
震えながらも振り絞るように声を出すと
ふっかもまた、拳を握り締めて俯いてしまった。
「なんでじいちゃんの家知ってんの？」
「…。」
「頼むから答えてくれよ…
もう疲れたんだよ…嘘つかれんの。」
「ごめん…っ。
一度だけ、来たことがあるんだ
俺の親父と一緒に。」
何故ここに来たことがあるのか、しかも仲がいいとはいえ
俺抜きでふっかの父親まで含めてここで会っていたのか
考えれば考えるほど疑問は増えるばかりで
ただふっかが話し始めるのを待つしかなかった。
「俺の母親…お前と一緒なんだよ。」
「…は？」
「俺とお前は、異父兄弟なんだよ。」
ふっかと俺が兄弟。
母親が一緒…でも俺の母親に離婚歴はなく
この話を信じるのであれば
考えられる事実はただ一つだった。
「俺の親父が、照の母さんと不倫してたんだよ。
それがじ…正人さんとお前の親父にバレて
俺がまだ9歳の時にここに呼ばれたんだ。」
「そんな…」
「そん時お前の親父…祐樹さんは癌で
心配かけるからって家族には言わずに
入退院を繰り返していたらしい。
出張だって嘘ついて…その間の金銭面は正人さんが見てた。」
初めて知る事実が多すぎて、また熱を出しそうになる。
母親や親戚から、親父は出張だと嘘をついて
不倫相手の家に転がり込んでいたと聞いていたから
そんなことがあったなんて想像もつかなかった。
「関係は結婚する前から続いてたらしくて
祐樹さん、凄くショック受けて泣いてて…っ、
子供ながらに最低なことを親父はしたんだってわかった。」
泣き崩れそうになるふっかを支えて
ひとまず祖父の家に入り、書斎のソファーに座らせた。
でもふっかは部屋に入るなり怯え始めて
俺は訳が分からず困惑した。
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ぴくみん(プロフ) - ぱぐたろさんの作品の一つ一つ伏線を回収していくお話が本当に好きで、今回もワクワクしながら読んでいたらあっという間にエンディングでした！今回の作品もとても面白かったです…いわふかの関係性が最高でした。 (2021年6月28日 3時) (
レス) id: 3b567ca5ed (このIDを非表示/違反報告)
みー - 他にはないジャンル？のお話で、一気読みしました！すごくおもしろかったです！ (2021年6月27日 23時) (レス) id: 978894b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年6月27日 20時
