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「何よ急に…って、
た…深澤くんまでどうしたの？」
「もういいよ、辰哉って呼べば、
母さんの息子なんだし。」
「え、あ…辰哉が言ったの？」
あの後ふっかが泣き止むのを待って俺の実家へ向かった。
母は俺が言い放った言葉に目を丸くさせると
ふっかに近づいて頭を優しく撫でた。
俺は一度も撫でられた事なんかなくて
本当に俺は愛されてなかったんだと実感した。
「俺ら母さんに教えて欲しいことがあるんだ。」
「辰哉も…？」
ふっかが力強く頷くと
母は俺らをリビングに連れて行きソファーに座らせた。
あらかたの事実はさっき知ったけど
いざ本人から聞くとなると少し怖くなった。
Aがいてくれたら、
なんて無茶なことを思っていたら
急に雨が降り出してきて
そのタイミングでインターホンが鳴り、俺は玄関へ向かった。
「何で…。」
「そろそろ答えが揃うんじゃいかなって
それに照くん、聞くの怖いでしょ？」
そう言えばAは雨が降ると必ず現れる、
そして雨足が強くなる日ほど俺は弱っている。
彼女は空を見て俺の気持ちを読み取っているんじゃないか
なんて馬鹿なことを考えていると
Aは俺の横を通り過ぎて家に入ってきた。
「あんた…っ、」
「私も聞く権利あるかなって。」
「よく来れたわね、泥棒が。」
「こわ〜、ほらさっさと話してよ不倫女。」
どうしてAは母にだけあたりが強いのか
それに不倫の事を知っているのは何故か
Aはどこまで本当の事を知っているのか。
「母さん、もう俺に嘘はつかないで欲しい。
俺を嫌うのも馬鹿にするのも今日でやめてくれ。」
「は？何言って…」
「単刀直入に聞く、
なんで親父と離婚しなかったんだよ。」
「何でって…そんなもんあのジジイに聞いてよ。」
母は開き直ったのか姿勢を崩して足を組むと
紅茶を一口飲み溜息をついた。
祖父の話をする時の顔はやっぱり悪魔みたいで
ふっかは初めてそんな表情を見るのかとても驚いている。
「あのジジイが離婚させてくれなかったのよ、
もし辰哉たちと家族になることを選んだら
お前たちをどん底に突き落としてやるってね。」
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ぴくみん(プロフ) - ぱぐたろさんの作品の一つ一つ伏線を回収していくお話が本当に好きで、今回もワクワクしながら読んでいたらあっという間にエンディングでした！今回の作品もとても面白かったです…いわふかの関係性が最高でした。 (2021年6月28日 3時) (
レス) id: 3b567ca5ed (このIDを非表示/違反報告)
みー - 他にはないジャンル？のお話で、一気読みしました！すごくおもしろかったです！ (2021年6月27日 23時) (レス) id: 978894b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年6月27日 20時
