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「お、照復活したか!」



「心配かけたな。」



「ホントだよ〜、
 じゃあ今日は快気祝いに夕飯食べに行こう!
 もちろん俺の奢り。」



「なんか最近羽振りいいな。」



次の日にはすっかり体調が回復していて
久々の大学構内へ足を踏み入れると
ふっかが後ろから勢いよく背中を叩いてきた。


俺が休んでいた間のノートを写していると
ふっかがまじまじと俺の顔を見ていることに気が付き
ペンを持つ手の動きを止めた。




「なんかついてる?」



「ああいや…
 休んでた間に何かあった?」



「なんかって?」



「あの…花橋さんだっけ?
 また家に押しかけられたりさ…。」



心配そうに眉を下げて聞いてくるふっかに
正直に家に来たと言おうとしたけどその言葉を飲み込んだ。
見舞いを断った手前、たとえ不可抗力であったとしても
Aに看病してもらったというのはなんだか気が引けた。



「いや、来てねえよ。」



「本当に?」



「ホントだってば、
 何でそんなに気になるんだよ。」



何度も聞いてくるから吹き出してしまい
笑いを堪えながら聞き返すけど
ふっかの表情は変わらなくて
正直に言わなくてよかったと内心ほっとした。



「大丈夫だって、
 最近会ってないから
 今日は焼き肉がいいな〜。」



「おう、任せろ!」



「嘘だよそんな金ねえだろ?
 毎日金欠だーって嘆いてるくせに。」




「最近バイト掛け持ちしてるから
 お金の心配はしなくていいよ。」




ふっかはいつも俺を優先してくれるし
気を使わなくていい一番の親友だけど
俺の家の事情を話したのはAだけ、あれが初めて。
そのことがなんだか申し訳なくって
初めて俺はふっかに嘘をついた。



「あ、ちょっと待って。」



「んじゃあ門の所で待ってるわ。」





講義が終わりふっかと大学を出ようとすると
ポケットに入れていた携帯が振動して
名前を確認すると中庭へと足を進めた。

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ぴくみん(プロフ) - ぱぐたろさんの作品の一つ一つ伏線を回収していくお話が本当に好きで、今回もワクワクしながら読んでいたらあっという間にエンディングでした!今回の作品もとても面白かったです…いわふかの関係性が最高でした。 (2021年6月28日 3時) (レス) id: 3b567ca5ed (このIDを非表示/違反報告)
みー - 他にはないジャンル?のお話で、一気読みしました!すごくおもしろかったです! (2021年6月27日 23時) (レス) id: 978894b8a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2021年6月27日 20時

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