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「眠いなら寝ちゃいなよ！
私後片付けとかしたら帰るし、鍵貸しといてよ
閉めたらポスト入れとくから。」
「…何でそこまでしてくれんの。」
「言ったじゃん、正人さんに頼まれたって。」
「…お前、本当にじいちゃんのこと好きだったの？」
いくら頼まれたとはいえ
わざわざお見舞いに来たり看病したりする義理はないわけで
何故ここまで世話を焼いてくれるのか
それがただ単純に疑問だった。
「好きだったよ〜、
大人な感じがたまんないよね！
この服とか鞄も正人さんがプレゼントしてくれたものだし
お家も素敵だったし！」
「え、家行ったことあんの？」
「そりゃ恋人だったんだから！
てか早く寝転びなよ、
眠るまでここにいてあげるからさ！」
話を切り上げて俺を寝かせると
ベッドを背もたれに体育座りをした。
小さく口ずさむ歌が聞き覚えのあるメロディーで
心地よい歌声が睡魔を誘った。
「明日にはきっと治ってるよ、
私勘だけはいいの。」
「…そう。」
「今日もさ、照くんが困ってるんじゃないかって
ビビッと来て大学に行ったんだ。」
そう言えばAは
俺がイラついている時や体調が悪い時
フラッと現れていた気がする。
まあその原因がAだったものもあるけど
結局は笑顔になっている自分がいた。
「…親父は俺が小学生の時に病気で死んだ。」
「へ？」
「親父は長年浮気してて
その罰が当たったんだと思う。」
「…そっか。」
何話してんだろうって思うけど
誰にも言えなかった、一人で抱えるには重すぎる家庭の事情を
Aだったら偏見なく聞いてくれるんじゃないかって
体が弱っているのもあってか頼ってみたくなった。
「じいちゃんは父方の祖父なんだけど
結婚してからずっと専業主婦だった母親が
俺を抱えて生活するのは大変だろうからって
亡くなった後も籍を抜かせずに養ってくれてた。」
「だからおじいちゃんっ子なんだ。」
「そうかも、
親父はほぼ家に帰ってこなかったから
じいちゃんが俺のお父さんみたいな感じだった。」
Aは声のトーンを変えることなく
明るい雰囲気を崩さないようにしてくれて
それがすごく心地よかった。
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ぴくみん(プロフ) - ぱぐたろさんの作品の一つ一つ伏線を回収していくお話が本当に好きで、今回もワクワクしながら読んでいたらあっという間にエンディングでした！今回の作品もとても面白かったです…いわふかの関係性が最高でした。 (2021年6月28日 3時) (
レス) id: 3b567ca5ed (このIDを非表示/違反報告)
みー - 他にはないジャンル？のお話で、一気読みしました！すごくおもしろかったです！ (2021年6月27日 23時) (レス) id: 978894b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年6月27日 20時
