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「で、どうしてあの家にいたんだ?」




「逃げてるときにたまたまあの家を見つけて
 それでしばらく身を隠そうと
 物置部屋に住み着いてました…。」




当然だけれどあの後、家に警察が到着して
おっさんと一緒に俺の身柄も確保された。
慌てて駆け付けた兄貴に抱きしめられているAを見て
安心して抵抗することなくパトカーに乗り込んだ。




「向井Aさんは
 お前から危害を加えられたことはないと言っている。
 だが逃げたことも含めて罪は償ってもらう。」



「…はい。」



「向井さんはお前の事を
 住まわせていたのは自分だから不法侵入じゃないって
 泣きながら訴えてきたよ。」



「えっ、」



刑事の言葉に俯いていた顔を上げると
溜息をつきながら俺の方に視線を向けてきた。
どういうことか理解できない俺は
ただ目を泳がせて何も言葉が出てこない。





「でもお前が犯罪に手を出していたことは知らなかった
 そう言っているが間違いないか?」



「そんな、俺は…
 あいつにバレない様に…、」




「…本当はこんなことすれば俺の首も危ないんだけど
 身を挺してあの子を守ってくれたことも考慮して
 不法侵入は見逃してやる。」





何でそんなことを言ったのかはわからない、
ただわかるのはAが俺を助けようとしたことだけ。
きっと助けたことに恩を感じてとかだろう
そう自分に言い聞かせて、俺は罰を受け止めた。




「渡辺、面会だ。」



「誰っすか。」



「向井康二さんって方だけど…」




刑務所に入って三年目を迎えた、
初めて面会に訪れた人の名前を聞いて
驚きを隠せないまま面会室へと通されると
久々に見たAの兄貴の姿がそこにあった。







「初めまして…」



「初めまして、
 俺…Aの兄の康二って言います。」



「…知って、ます。」






そう伝えるとニコッと微笑んできて
怒鳴られると思っていたから一気に力が抜けた。
そんな俺の姿を見てまた微笑むと
咳払いをして少しずつ話し始めた。

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ぱぐたろう(プロフ) - ぽきさん» ありがとうございました!登場人物全員が幸せになれるといいですね。次回も頑張ります! (2021年6月27日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - みささん» 読んでいただけて凄く嬉しいです!少しでも楽しんでいただけたのであれば良かったです! (2021年6月27日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ちよさん» お久しぶりです、ありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2021年6月27日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» ありがとうございました!2人のその後はツイッターなんかで書けたらと思ってます!しばしお待ちください(>_<) (2021年6月27日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» お待たせいたしました!最後は明るくしたくて二人を仲良さげに書いてみました!これからも頑張ります! (2021年6月27日 21時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぐたろう | 作成日時:2021年6月15日 19時

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