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「Aさんはプロポーズ受けた時に
ちゃんとその気持ちを伝えてれば
話し合いができてこんなことにはならなかった。」
「それは俺が不甲斐ないから…」
「でも事実婚の理由も聞かずに
受け入れたのは康二でしょ。」
確かにあの時何で理由を聞かんかったんやろうって
今更後悔している自分がいて
何も言い返すことができないまま無言の時間が続いた。
しばらくしてめめは膝に頬杖をついて
俺の顔を見ないまま口を開いた。
「今回だって上の空だった理由言わないでさ
勘違いされた途端に怒鳴って殴って
…そんなの伝わるわけないじゃん。」
「…うん、」
「Aさんは年上だから
いつか捨てられるって勝手に決めつけて
康二はAさんが本気でそう思ってるって決めつけて。」
「決めつけかわからんやん…。」
もし本心で言っているのなら、
そう考えただけで不安になって逃げだしたくなる。
やっぱり広斗さんは超えられへん
俺と夫婦になっても右手薬指に結婚指輪をつけているのは
天国にいる広斗さんと繋がっていたいからや
…そうか、これが決めつけなんか。
「本心がそれであんなに優しいめで康二の事見てたなら
大女優になれると思うよ。」
「そんなに優しい目してる？」
「すっげえキラキラしてて、
まさに恋する乙女って感じ。」
めめの言葉は何でこんなに安心できるんやろう。
やっと泣き止んでめめを見つめていると
ちょっと見過ぎたのか照れたみたいで
顔を赤くして頭を掻いた。
「明日休みなんだろ？
今日は泊っていいから明日ちゃんと話し合えよ。」
「うん…。」
「…俺はAさんの気持ちもわかるから
どっちの味方にもならないけど。」
何で俺がわからんことをめめがわかるんや。
頭がこんがらがって項垂れていると笑い声が聞こえて
真剣に悩んでるのにと睨んでみると
俺に軽く謝った後咳ばらいをした。
「Aさん、前の旦那さんと年の差あったんだろ？
経験してるからこそ
入籍に踏み込めないのかもよ。」
「そうなんかな…。」
「差別だって言われるけど女性にはタイムリミットがあるから
康二は子供が好きだし、色々考えるんじゃない？」
俺は子供よりAさんとの未来が欲しいのに
そんなこと思ったって彼女には届かない。
だから明日、ちゃんと言おう。
俺は貴方にどんなことを言われたって
Aさんしかこの先好きになることはないって。
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ピカンチ★(プロフ) - はじめまして、素敵なお話に涙がとまりませんでした。ふっかさんの手を取らないところがまた切なくて、めめのぶっきらぼうだけど温かさのあるところとか、リンクするところもたくさんありました。康二ええわぁ。康二熱あがりそうです！他のお話も読んでみます (2022年4月8日 8時) (
レス) @page30 id: 9026a4e0b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - coccoさん» 読んでいただいてありがとうございました！本人達の意思が尊重されるようになればいいですね！次回も頑張ります！ (2021年6月15日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - しずかさん» こちらこそありがとうございます！恋愛と結婚は違うって言われてたりしますしね。楽しんでいただけて良かったです！ (2021年6月15日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 廉桜さん» 読んでいただいてありがとうございました！本人達の強い意志ももちろんですが、やっぱり周りの環境は大事ですよね。ありがとうございます！ (2021年6月15日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
cocco(プロフ) - いつものシリアス系とは違ってすごく感動しました…！私は旦那が4歳上、兄は5歳上の姉さん女房。兄の結婚にはなんとなく親戚の反応が難色だったのを思い出しつつ、色々な結婚の形が受け入れられる時代になればいいなと改めて感じました。次回も楽しみにしています！ (2021年5月30日 4時) (レス) id: 4774ec4c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年5月12日 19時
