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「あれ、翔太どうしたの？」
「よっ。」
久しぶりに定時に仕事が終わり
会社を出て駐車場に行くと、
私の車に翔太がもたれかかっていた。
「お久しぶりです。」
「涼太くんも！
イケメン度上がったんじゃない？」
「ふふ、ありがとうございます。」
少し近づくと隣にも人がいて
翔太の幼馴染で最近会っていなかった涼太くんもいた。
何事かと思って急いで駆け寄ると
翔太が私の手から車の鍵を奪って運転席に乗った。
「なによ。」
「いいから、後ろ乗って。」
「私の車なんだけど？！」
いつもに増して図々しい態度に少し怒ると
涼太くんになだめられながら後部座席に押し込まれた。
私の車を翔太が運転して、助手席に涼太君が乗っている
そんなよくわからない状況で目的地もわからず車が動き出す。
いくら聞いても何も答えてくれなくて
疲れていた私はいつの間にか寝てしまった。
「起きろよ。」
「んぁっ！」
「そんなおっさんみたいな声出すなよ。」
寝起きの毒舌ほど身に染みるものはないけど
涼太くんがいる手前怒るのも気が引けて
大人しく車から降りて少し歩くと
懐かしい景色が広がっていた。
「まだ残ってたんだ…。」
小さい頃に私と翔太、涼太くんの3人で
よく遊んだりした小さな公園。
入り組んだ道で住宅街から離れた場所にあるから
秘密基地だなんて言ってたなと懐かしい気持ちが蘇った。
「でも何でいきなりここ？」
「…。」
唇を尖らせて黙り込む翔太に
涼太くんが笑いながら背中を叩いた。
それでも一向に理由を教えてくれなくて
私の頭の中は疑問符だらけで混乱しそうになる。
「Aちゃんが心配だからですよ。」
「心配？」
「ふっかから連絡貰って。」
涼太くんが代わりに教えてくれて
予想もしていなかった名前が出て来て驚いていると
頭を掻きながら翔太は私の隣に立った。
「Aが元気ねえからって…
理由までは聞いてないけど、
でも姉ちゃんが悩むことなんて康二のことぐらいだろ。」
図星な私と俯いてしまった翔太、
何処からともなく聞こえる虫の声だけが響く中
頬に冷たい何かか触れて肩をすくめた。
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ピカンチ★(プロフ) - はじめまして、素敵なお話に涙がとまりませんでした。ふっかさんの手を取らないところがまた切なくて、めめのぶっきらぼうだけど温かさのあるところとか、リンクするところもたくさんありました。康二ええわぁ。康二熱あがりそうです！他のお話も読んでみます (2022年4月8日 8時) (
レス) @page30 id: 9026a4e0b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - coccoさん» 読んでいただいてありがとうございました！本人達の意思が尊重されるようになればいいですね！次回も頑張ります！ (2021年6月15日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - しずかさん» こちらこそありがとうございます！恋愛と結婚は違うって言われてたりしますしね。楽しんでいただけて良かったです！ (2021年6月15日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 廉桜さん» 読んでいただいてありがとうございました！本人達の強い意志ももちろんですが、やっぱり周りの環境は大事ですよね。ありがとうございます！ (2021年6月15日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
cocco(プロフ) - いつものシリアス系とは違ってすごく感動しました…！私は旦那が4歳上、兄は5歳上の姉さん女房。兄の結婚にはなんとなく親戚の反応が難色だったのを思い出しつつ、色々な結婚の形が受け入れられる時代になればいいなと改めて感じました。次回も楽しみにしています！ (2021年5月30日 4時) (レス) id: 4774ec4c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年5月12日 19時
