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＿Mukai side＿
「実習生泣かせないでよ。」
「…すいません。」
昼休憩に入ってAさんお手製の愛妻弁当を頬張っていると
どす黒い笑みを浮かべた阿部主任が入ってきて
早速めめへの説教が始まった。
「めめ泣かせたん！？」
「ちょっと注意しただけだし。」
「なんて言うたん？」
「基礎的なこともできないのに
何しに実習に来たんだって言った。」
…いるよなこういう看護師。
阿部主任なんか頭抱えちゃってるし、
隣でパンをかじっていたふっかさんなんて唖然としている。
「お前やばいな。」
「事実でしょ、
実習生とはいえ実際患者さんに実施するものがあんなんじゃ。」
「実習生時代の康二しごいてた看護師にそっくり。」
ふっかさんの一言で嫌な思い出が蘇る。
俺が実習生の時の指導者は
助けを求めても責められる一方で何も教えてくれへんくて
メンバー6人のうち2人が途中から来なくなった。
今考えればよく耐えれたなと思う
それは紛れもなく、Aさんのおかげなのだけれど。
「あんな看護師にはなりたくないって
学生ながらに心に誓ったわ。」
「どーせ俺は指導者に向いてないよ。」
「村上くんにはちゃんと褒めてたやん！
あの調子で接してあげてや。」
「あいつはちゃんとできてたから、
あとメンタル強そうだし。」
めめはそう言うけど、
バイタルサインの様子を見た感じ
プレッシャーには弱そうやった。
潰れないように助けてあげないと、
Aさんが俺を救ってくれたように。
「ふふ、なんかその男の子
康二くんに似てる気がする。」
「せやろ！
なんか通ずるものを感じてん。」
家に帰ってAさんに今日の出来事を話すと
夕食の準備をしながら楽しそうに聞いてくれる。
2人座って手を合わせ食べ始めると
口の中いっぱいに好きな味付けが広がった。
「俺、ホンマにAさんに助けられたんよ、
やから今度は自分が助ける側にならんと。」
「康二くんのそういうところ好きだよ。」
「え！今好きって言うた！？
もう一回言って！」
「もう、早く食べなさい。」
調子に乗るとAさんからチョップを食らって
いつもみたいに大袈裟に痛がったらお茶を零して
本気の拳が飛んできた。
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ぱぐたろう(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます！今後どうなっていくのか…ぜひ最後までお付き合いください！ (2021年5月13日 21時) (
レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - ついついこうじに感情移入して、平和で穏やかな状態を願っちゃいますが、まさかのふっかさんも参戦してきて、ドキドキ展開です！同世代だからとてもうわぁーってなります（´-`） (2021年5月11日 20時) (レス) id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年5月5日 18時
