・ ページ8
・
「あとは阿部くんの団扇買ったよ。」
「俺もふっかの団扇買った。」
私と照くんがそれぞれ団扇を取り出すと
蓮くんは頷きながら珈琲を飲んだ。
「やっぱり必需品なんですね。」
「あ、目黒の分も買っておいたから。」
「え？！」
照くんはさっき買ったグッズの入った紙袋の中を漁ると
二枚の団扇を取り出し蓮くんに差し出した。
裏向きにされてあったからひっくり返すと
蓮くんが固まってしまったので隣から覗き込んだ。
「…なんで翔太くん？」
「俺がふっかでAちゃんが阿部くんだから
推しは被らないほうがいいかなって。」
相変わらず写り具合が盛れまくっている翔太くんの団扇。
問題はそっちではなくもう一枚の方で
いわゆるファンサ要望の文字が入った団扇だ。
「手を振って…。」
「そっちはなんか面白いかなって。」
たまに照くんは突拍子もないことをしだす。
これを多分彼の事だから
時間をかけてゆっくり丁寧に作ったであろう姿を想像すると
失礼ながらも面白くなって吹き出してしまった。
「あの、俺この渡辺さん？よく知らないですけど…。」
「とりあえずそれ片手に持ってペンライトも持って
リズムに合わせて振ってたらいいよ、
地蔵は浮くから。」
「照くんなりに考えての事なんだね…
あ、蓮くん団扇は胸より上にあげちゃダメだよ。」
照くんと私の言ったことを復唱しながら
翔太くんの団扇を持つ蓮くんは
なかなかのシュールな光景で可愛く見えてくる。
そんなこんなであっという間に開場時間になって
会場に入り座席に着くと懐かしい記憶が蘇った。
あいかわらずアリーナは当たらないけど
蓮くんと仕事で来た時と同じスタンド一列目の座席だった。
「これは確実にファンサ貰えるよ蓮くん！」
「良かったな目黒！」
「だから俺渡辺さんよく知らない…。」
私のノリに乗っかってくれる照くんに対して
二回目とはいえ慣れないライブに戸惑っている蓮くん。
そんなやり取りをしている間に会場は暗転して
登場するまでのPVが流れ始めた。
《♪〜》
曲は始まると会場は大歓声が起きて
今日は仕事じゃないからと私も声を張り上げた。
照くんも負けじと声を上げていて
私たちに挟まれて立っている蓮くんは
あまりの迫力に固まっていた。
「あ、トロッコきた…。」
前回は二組に分かれて回っていたけど
今回は全員がキラキラ光っているトロッコに乗って
私たちがいる方へとやって来た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 576人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» 読んでいただきありがとうございました！康二の好きな人…ご想像にお任せしますがそのもしかしてです…！ (2021年5月6日 20時) (
レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - nanaさん» ありがとうございます！私も書いていて楽しかったです…笑 (2021年5月6日 20時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーんかれー(プロフ) - すごく面白かったです！！康二の好きな人って…誰なのでしょうか。すごく気になります(ｳﾙｳﾙ)!もしかして… (2021年4月15日 0時) (レス) id: 5c6f4c07d1 (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 個人的に田崎さん面白くてすごく好きでした！笑 (2021年4月13日 3時) (レス) id: ee08cea7b9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 怜於さん» ご指摘ありがとうございます！訂正いたしました！ (2021年4月11日 22時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年4月2日 19時
