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「今日は残業なので、先に帰ってください。」
「わかった、頑張ってね。」
そしてあっという間に3日が経ち
クマを引き取るために車で出勤してきた。
Aさんに嘘をつくのは心が痛んだけど
これも喜ぶ顔を見るためだと気を引き締めた。
「こちらでお間違いないですか？」
「はい、大丈夫です。」
王道の茶色いクマを選んで
首元には緑色のリボンをつけてもらった。
…受け取ったはいいものの想像以上にでかい。
ネットでAさんの家に送ればよかったと
今更気づいて落ち込みながらも
何とか助手席に押し込むことができた。
「狭いな。」
仕方ない、これもAさんのためだ。
運転に支障をきたさないよう左側に寄せると
安全運転でAさんの家まで車を走らせた。
いったいどんな反応をするだろう、
また見たことのないAさんの表情が知れるだろうか
そんな気持ちが心躍らせて
柄にもなく鼻歌交じりで慣れた道を走って行く。
「ここに呼んだ方がいいか。」
いきなり家に持って上がったら
このサイズだと俺が見えなくて驚かせてしまう。
おまけにAさんのリアクションも見ることができないから
申し訳ないけど下に降りて来てもらうことにした。
「もしもし。」
“もしもし、お疲れ様。
もう仕事は終わったの？”
「はい、あの
Aさんに会いたくなって
下にいるので降りて来てもらえますか？」
“え、あ、うんわかった。”
戸惑いながらもOKを出してくれて
電話を切り車の中で待っていると
目の前にあるマンションの自動ドアから
部屋着のAさんが少し身震いをしながら走ってきた。
「えっ！？」
車のフロントガラスから見える光景に驚いたのか
目を丸くして大きな声を上げている。
よくよく考えると彼氏が助手席にクマ乗せてたら驚くよなと
自分では見られないシュールな光景を想像して
Aさんを見ながら口に手を当て笑いを堪えた。
「何これ！？」
車から出るとすぐAさんが駆け寄ってきて
助手席で待ちくたびれているクマを見ると
目を輝かせながら俺の手を握った。
「プレゼントです、
Aさんいつも受け取ってくれないから。」
「だって申し訳ないんだもん…。」
「もらってばかりの俺の方が申し訳ないです。」
そう言うと俺の顔を見ながら満面の笑みを見せて
その表情のまま運転席に乗り込んだ。
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ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» 読んでいただきありがとうございました！康二の好きな人…ご想像にお任せしますがそのもしかしてです…！ (2021年5月6日 20時) (
レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - nanaさん» ありがとうございます！私も書いていて楽しかったです…笑 (2021年5月6日 20時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーんかれー(プロフ) - すごく面白かったです！！康二の好きな人って…誰なのでしょうか。すごく気になります(ｳﾙｳﾙ)!もしかして… (2021年4月15日 0時) (レス) id: 5c6f4c07d1 (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 個人的に田崎さん面白くてすごく好きでした！笑 (2021年4月13日 3時) (レス) id: ee08cea7b9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 怜於さん» ご指摘ありがとうございます！訂正いたしました！ (2021年4月11日 22時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年4月2日 19時
