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「お前さ、なんで俺に普通に接するの？」
「ほえ？」
唐突な質問の意味が分からず首を傾げると
視線を逸らしながらぼそぼそと呟いた。
「俺、態度悪いって嫌われてるし
お前と一緒に来た阿部とかいうやつも
俺の事あんまよく思ってないだろ？」
態度についての自覚はあるようで
それでもあの接し方を止めないのには
理由があるのだろう。
「うーん、俺人づてに聞いた話とか
印象だけで判断するの嫌なんだよね！」
「ふーん。」
「自分で実際にその人と話して良く知ってから
どんな人なのかがわかると思うんだ。」
翔太は納得したのか小さく頷いた。
その表情は自分で言うのもなんだけどどこか嬉しそうで
自然と俺の口角も上がっていった。
「今日話してみてわかったよ。」
「何が。」
「Aちゃんが翔太の事をいい人だって言ってたの。
今日何となーくわかった気がする。」
「そ、そうかよ。」
分かりやすく照れている翔太を見て
Aちゃんのこと好きなんだろうなって直感して
俺勝ち目ないじゃんって思ってしまった。
初めて会ったあの日から
俺はAちゃんが好きだったんだって
バカだから今更気づいてしまった。
「俺も、わかった。」
「へ？」
「基本的にこの会社の奴ら嫌いだけど
お前はなんか、別に嫌いじゃないというか…。」
「にゃは、嬉しいなー。」
本当に、素直に嬉しい。
翔太が何であんな態度をAちゃんに取るのか
それはわからないけど
けして悪いやつではないことだけはわかった。
「翔太はさ、なんでメモ書いたりしないの？」
「ん？」
「Aちゃんの事嫌いなわけじゃないでしょ？」
また思ったことをそのまま言ってしまったけど
翔太は嫌な顔をすることはなかった。
項目に名前を振り当てながら少し沈黙が流れると
翔太は少しずつ話し始めた。
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年3月7日 18時
