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卒業式まで残り16日、俺はここ最近で初めて
学校へ早く行きたいと思うようになった。
それは紛れもなくAちゃんのおかげで
早く返事が見たくていつもより早く学校へ向かった。
「今日はユリの花、か。」
綺麗な花の絵と小さくユリと書かれた文字、
それを見ただけで頬が緩む。
今日も返事を返してくれた、それだけで
俺の心が浮足立つのがわかる。
“本当は、卒業したらすぐ死ぬつもりだった。”
それを目にした時、すべてを悟った。
彼女の文字から感じ取る暗い雰囲気の原因も
この机の端に書かれた日に日に減っていく数字も
Aちゃんが無意識に出したSOSだったんだって。
“でも深澤さんは、文字しかわからないけど
凄くキラキラしてていつも前向きで
私もそんな大人になりたいって思えた。
今からでもやり直しがきくかな？”
顔も知らない俺を頼ってくれた、
Aちゃんの闇をさらけ出してくれた、
それだけで嬉しくて、今すぐにでも助け出したくなった。
“打ち明けてくれてありがとう。
間に合うよ、俺だって24歳から再スタートしたんだよ？わら
俺も先輩として手伝うしさ！
だから諦めんな、ゆっくりでいいから進んでいこう。”
彼女の生きる手伝いがしたい。
そんなことを思ってしまうくらい
俺はAちゃんの事が好きでたまらなくなっていた。
そこからAちゃんとのちゃんとしたやり取りが始まった。
いろんな彼女を知ることができた。
小さい頃から花が好きで
よく押し花を使って栞を作ったりしている事
特に桜の花が好きだという事
母親とはうまくいっていなくて
一度却下されて以来将来についてちゃんと話せていない事
将来の夢を否定されてから生きる意味が見出せなくて
死のうと考えていた事
どんな小さなことでもAちゃんを知れるたびに嬉しくて
好きという気持ちがどんどん大きくなっていく。
「ふっか今日機嫌いいな。」
「おうよ。」
金曜日、思い切ってもう一度
卒業式が終わったら会いたいと机に書いた。
ちゃんとしたやり取りをしてまだ3日しか経っていないけど
会ってもいいと言ってくれるんじゃないかって
謎の自信がった。
「え…。」
でもそれは俺の思い上がりだった。
机の上に書いてあったメッセージは綺麗に消されていて
あの日以来止まっていた16の数字は
0に書き換えられていた。
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メイ(プロフ) - 深澤くんのハッピーエンド待ってました…！35から始まる構成はまさか過ぎて読む前からドキドキでした。ぱくだろうさんはハッピーエンド書いても天才です。 (2021年3月8日 2時) (
レス) id: 6e673490c7 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぽきさん» 読んでいただきありがとうございます！楽しんでいただけて良かったです！ (2021年3月7日 18時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ふっかちゃんさん» ありがとうございます！そう言ってもらえると嬉しいです、次も頑張ります！ (2021年3月7日 18時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - coccoさん» ありがとうございます！お話のなかのカウントダウンに合わせて逆から初めてみました。そう言ってもらえると嬉しいです！ (2021年3月7日 18時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - りょっくさん» 読んでいただきありがとうございます！少しでも力になるようなお話になっていれば嬉しく思います( ´ ` ) (2021年3月7日 18時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年3月5日 20時
