09 努力の証 ページ10
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ふたりベンチに並んでお昼をいただく。
昼休み特有の喧騒が周囲から聞こえるけれど、人の気配の少ないところだから周りも気にしなくていい。
春の澄み渡る空、爽やかな風が心地よい。
学ランを羽織っていた西谷が腕を捲った。
袖口から露わになった腕が色っぽいと思わなくもなかったけど、それよりも、
「そのアザ……」
腕や脚に複数つくられたアザが昨日から気になっていた。
「ああ、これか。部活来れない間に特訓しててその時にな」
特に気に留める様子もなく自分のアザを見つめながら言った。
私もつられて西谷の腕を見た。
昨日の練習の様子を見てて、休んでる間も練習に勤しんでいたんだろうなとは思ってたけど…
「……─ ？」
部活を休んでいた間にも、自分なりにいろいろ考えて、たくさん特訓して、一生懸命に頑張ったんだろうな。
この傷跡たちがその努力の証なんだと思ったら、何だか胸がいっぱいになって、目の奥が熱くなって…
「……──A？」
「え？…あっ、ごめん！痛かったよね！」
気づいた時には西谷の腕に触れていて、ぱっと手を離した。西谷は一瞬、驚いた顔をしていたけれど、
「いや、痛くねーから気にすんな！心配そうな顔してっけど、このくらいアザ全然問題ないからな！」
なんて、全然気にしない様子で私を安心させるように、言った。
「特訓ではずっとブロックフォローをやってたんだ、」
3月の伊達工との試合で徹底的にブロックされたボールをフォローできなかったことを悔やんでいた姿を思い返す。
「だから、また同じようにボールが壁に阻まれたとしても、次は絶対に全部拾って、全部繋げてやるっ！」
そして、西谷は続けて言った。
「そして、また、エースに…旭さんに決めてほしい」
顔を上げて前を見据えた西谷の横顔をじっと見た。
既に普通の人よりも実力は備えているはずなのに現状に甘んじず、常に高みを目指し続けている。
やっぱり格好良いと思った。
「うん、こんなに頑張ってきたんだ。きっと想いは伝わる…」
こんな在り来りな言葉しか私には言えないけど。
どうか、努力が報われますように。
心の底からそう願った。
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紗久(プロフ) - 皆さま感想ありがとうございます(*^^*) (12月27日 0時) (
レス) id: 905197e408 (このIDを非表示/違反報告)
ハルジオン - ノヤさんの夢小説の中で1番面白かったです♪ (2021年7月19日 16時) (レス) id: 03dceca1e6 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - もうオフノヤは普通に天使だと思う。異論は認めません。 (2020年7月31日 5時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈 - めっちゃ、ドキドキしました！ノヤさん好きだ〜 (2020年7月8日 15時) (レス) id: c8962603e4 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - ノヤっさんとあんな恋がしたいーー！ (2020年3月22日 1時) (レス) id: 9bef0a6234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗久 | 作成日時：2018年8月11日 0時
