07 弾む心 ページ8
.
*Side..西谷
片付け終わらせて帰ろうとしてたら、麗しの潔子さんとAが話し込みながら歩いてる姿が見えた。
淡々と落ち着いて話す潔子さんとは対照的に、表情をコロコロ変えながらリアクションをとるAを見て思わず笑っちまった。
相変わらずおもしれーやつ！
どうせ帰るんなら途中まで一緒に帰ろうと思って、
潔子さんと別れたばっかのAに声をかけて帰ることにした。
「こうして帰るのも久しぶりだな！」
「そうだね。またこうしてノヤと駄弁りながら帰りたいと思ってたけど、戻って来てすぐ実現するとは…」
「いや、普通に誘えよ！」
笑いながら戯けるAにツッコミを入れる。
こういうやりとりも久々だ。
「俺が部活来れない間、何か変わったことあったか？」
「うーん…大きな変化といえば、やっぱり新入生が有望ってことくらいかな！」
「あいつらか！まだ実力はちゃんと見てねえけど面白そうな奴らだよな！」
「そうそう！入部したばかりの頃なんかはね……」
そう言ってAは入部前に起きた騒動のこと、条件付きで行われた3対3のこと、青城との練習試合のことなど、俺が空けていた間のことをいろいろ教えてくれた。
その話の内容がなかなか面白くて、話を聞きながらその光景を想像するだけでも楽しかった。
けど、いつの間にか活き活きと目を輝かせながら嬉しそうに語るAの姿に目を奪われていた。
謹慎前はずっと近くにいても何とも思わなかったのに、
ひと月離れていただけで前と違って見えるのは何故だろう。
時折ぶつかる視線に胸のどこか奥の方が痛くなった。
話をしているうちに、気付けば目の前には分かれ道となる十字路。
家の方向が違うため、Aとはここで別れる。
それじゃあ…と声をかけようとした。そしたら、
「…明日からはもう、いつ声掛けても、いつ会いに行ってもいいんだよね？」
と控えめに改まって聞かれた。
今までお互い改まって｢距離を置こう｣とか｢話さない｣とか決めてたわけじゃないけど、Aは俺を配慮して今までそっとしておいてくれてた。
その遠慮をもうしなくていいのかということだよな。
だったら、もう応えは決まってる。
「当たり前だ！」
にっと笑みを湛えて返すと、ぱあっと明るい顔をAは見せてくれた。
「それじゃあ、またな！」
「うん、また明日ね！」
片手を挙げ、Aを見送る。
"また明日"
その言葉がなんか嬉しくて、口元が緩んだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 331人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗久(プロフ) - 皆さま感想ありがとうございます(*^^*) (12月27日 0時) (
レス) id: 905197e408 (このIDを非表示/違反報告)
ハルジオン - ノヤさんの夢小説の中で1番面白かったです♪ (2021年7月19日 16時) (レス) id: 03dceca1e6 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - もうオフノヤは普通に天使だと思う。異論は認めません。 (2020年7月31日 5時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈 - めっちゃ、ドキドキしました！ノヤさん好きだ〜 (2020年7月8日 15時) (レス) id: c8962603e4 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - ノヤっさんとあんな恋がしたいーー！ (2020年3月22日 1時) (レス) id: 9bef0a6234 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗久 | 作成日時：2018年8月11日 0時
