40 後日談�� 1/4 ページ41
.
｢ノヤがかっこよすぎてしんどい｣
西谷と付き合ってひと月経ったある日。
机に伏せていた私に｢何かあったの？｣と聞いてきたのは私の頼れる友達の力だ。
｢なんだ惚気話か。心配して損した｣
｢えーちょっと話聞いてよー｣
｢やだ、聞かない｣
｢ええー？わりと真剣な悩みなのに…｣
机にぐでーっと伏せていじけてると、｢わかったよ｣と観念したようだった。
こんな面倒な人間によく構ってくれるなと我ながら思う。
｢それで？何か問題あるの？｣
｢……好きを拗らせすぎてノヤに会うのが怖くなった｣
｢はあ？何それ｣
いやほんと意味わからないよね。
どうしてこうなったのか私も自分が分からない。
ただ、西谷を見てると胸が苦しくて切なくて逃げ出したくなる。
片思いだった時よりも明らかに好きの感情が大きくなりすぎてて、正直、顔も直視できなくなっていた。
｢どうしよう｣
｢でも向き合わないと何も解決しないんじゃない？｣
｢うーん、そうだよね…｣
何だかんだ力はよく相談に乗ってくれるし冷静に指摘してくれる。
あれこれ事の経緯やあれこれを話しながら移動教室のために力と廊下を歩き始めた時だった。
｢よっ！力！｣
｢！｣
聞き慣れた大好きな声だった。
反射で思わず力の後ろにそっと隠れた。
｢ああ、西谷。体育終わり？お疲れ｣
｢おう！……と、後ろにいるのはA？｣
｢う、うん…お疲れ………｣
西谷と鉢合わせて気が動転した。
何を話せばいいんだろ……？
｢ あー、そうだ！先生に呼ばれてたんだった！じゃ、じゃあね！｣
逃げるために無茶苦茶な口実を作って私は廊下を駆け出した。
｢おーい！｣と力の声が背中から聞こえたけど私は足を止めなかった。
西谷に対してひどい事をしてる自覚があって少し泣きそうになった。
・・・
*Side..縁下
｢……これは、相当だな…｣
｢なんだ……？｣
状況を理解出来ずに？を浮かべている西谷。
元から内面も男前で男の俺から見てもかっこいい奴だが、
正直、Aと付き合ってからは以前に比べて落ち着きが出てきてかっこよさが増したように思う。
田中と叫んだり騒いだりするのは変わりないが、
前よりも精神的に大人になったような、そんな感じ。
｢……西谷、お前かっこいいからさ、頑張れよ｣
｢おう……？｣
お互い本音をぶつけられたらもっと良くなると思うけどな。
そんなことを思いながら慰めるように西谷の肩をポンと叩いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 331人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗久(プロフ) - 皆さま感想ありがとうございます(*^^*) (12月27日 0時) (
レス) id: 905197e408 (このIDを非表示/違反報告)
ハルジオン - ノヤさんの夢小説の中で1番面白かったです♪ (2021年7月19日 16時) (レス) id: 03dceca1e6 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - もうオフノヤは普通に天使だと思う。異論は認めません。 (2020年7月31日 5時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈 - めっちゃ、ドキドキしました！ノヤさん好きだ〜 (2020年7月8日 15時) (レス) id: c8962603e4 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - ノヤっさんとあんな恋がしたいーー！ (2020年3月22日 1時) (レス) id: 9bef0a6234 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗久 | 作成日時：2018年8月11日 0時
