37 後日談�� ページ38
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「うおー、雨降ってんなぁ」
田中が体育館の扉を開けると雨が降っていた。
薄暗くなるのが早いとは思っていたけど、まさかもう降り出していたとは。
「マジか！俺傘持ってきてねーぞ！」
雨の音を聞いた西谷が田中の元へ駆け出して空を仰いだ。
「これじゃあAを家まで送っていけねーな…」
頭を抱えて、うむむと唸る西谷。
こんな時まで私の送迎まで考えてくれてるんだから、どこまでもかっこいい。
「ノヤ、」
「ん？ Aか」
「私、傘持ってきてるからさ、一緒に帰らない？」
＿＿＿＿＿
「悪いな、入れてもらって…」
「ううん、全然！」
帰り道、ふたりでひとつの傘に入りながら歩く。
折りたたみじゃなくて大きいの持ってきて正解だったな！
「そっち、濡れてないか？」
「うん、大丈夫だよ」
傘をさすなり自然と私の傘を持ってくれた西谷は、私が濡れないように気を遣ってくれた。
ひとつの傘にふたりで入るとやっぱり距離が近くなって、たまにあたる肩が気になって変に緊張した。
「な、なんか…カップルっぽい……」
「っぽいって、じ、実際そうだろ…」
思わず本音を口にしたら、西谷も変に意識してしまったのか顔を逸らした。
基本的に男前な西谷だけど、色恋の話になると照れてしまうことがこの頃分かって、可愛いと思っていた。
「こういうシチュエーション、実は憧れてたり…」
「…ん、俺も」
ずっと外を見てる西谷の表情は分からないけど口数が少ない時は緊張している時なんだって分かる。
珍しくおとなしい彼を見て、
ちょっとからかってみたくなって、
「とぉっ！」
「……ぅお！？」
西谷の傘を持つ方の腕に自分の腕を絡ませてみた。
いわゆる腕組みというやつ。
「お、お前……」
「ご、ごめん、邪魔だった…？」
普段こんなことしないから自分でやっておいてだんだんと恥ずかしくなってきた。
「…いや、悪くないな！」
「！」
こてんっと、私の方に頭を傾けて軽くぶつけたあと、私の方を見て、優しい目で嬉しそうに笑った。
目元が紅く染めた顔は思いのほか近くて。
すぐそばで幸せそうな顔を独占できるから、あまり身長差がないのも得かもしれない。
今まで憂鬱だった雨の日もこれだったら悪くないなぁと思った。
その数日後にまた雨が降ったんだけど、相合傘を所望した西谷が自分の傘を隠したのを私は見なかったことにした。
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紗久(プロフ) - 皆さま感想ありがとうございます(*^^*) (12月27日 0時) (
レス) id: 905197e408 (このIDを非表示/違反報告)
ハルジオン - ノヤさんの夢小説の中で1番面白かったです♪ (2021年7月19日 16時) (レス) id: 03dceca1e6 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆ - もうオフノヤは普通に天使だと思う。異論は認めません。 (2020年7月31日 5時) (レス) id: f773b15172 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈 - めっちゃ、ドキドキしました！ノヤさん好きだ〜 (2020年7月8日 15時) (レス) id: c8962603e4 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - ノヤっさんとあんな恋がしたいーー！ (2020年3月22日 1時) (レス) id: 9bef0a6234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗久 | 作成日時：2018年8月11日 0時
