いざ、スパイ道具を目に! ページ6
「やぁーーだぁーーっ!!」
そんなあーちゃんの声が響き渡った。
何をそこまで嫌がっているのかというと、そう、勉強だ。
あーちゃんはびっくりするほど頭が悪い。だから勉強が大っ嫌いなのだ。
どうやら、試験のため?にぼくたちの学力を知っておかないといけないらしい。
ぼくは別に勉強は好きではないけど嫌でもなかったからやろうと言ったんだけど、あーちゃんは断固拒否といった感じで、口頭でも心の中でもいやいやと言ってくるのでぼくも困ってしまった。
「アーニャべんきょうしなくてもてすとできるもん!ほかのひとのここ――…」
心聞けば、と言おうとしたであろうあーちゃんの口を塞ぐ。
超能力がバレたらまた捨てられちゃう……!
「カンニングでもするつもりか?あのな おまえが入学できんと任…」
任務、とか言いかけたんだろう、直前でお父さんも口を閉じた。
少しの沈黙が続いた後、お父さんが出かけてくると言い出した。
それについて行こうとすると、
「今日は連れていかないからな!絶対に!!」
と言われてしまった。
残念。大人しく留守番してようと思ったけど、あーちゃんがこっそりついて行こうとするのでぼくも便乗することにした。
玄関から少しだけ顔を出して伺う。
「オイ!!」
秒でバレた。
その後も諦めずにこっそり着いていく。
木箱の裏に隠れても。
「コラそこ!バレないと思ってんのか!」
階段脇に隠れても。
「そこ!!」
ダクトに隠れても。
「そこ!!」
お父さん、すごい見つけてくる。楽しい!
まるで隠れんぼのようになっているのを、更に10分は続けた。
最終的には外にバリケードを作られて出られなくなっちゃったけど。
暫くゴロゴロしていると、
「つまんない」
とあーちゃんが言った。
「すぱいおもってたのとちがう、アーニャばくだんとりかえしたいのに」
『爆弾は……ないと思う』
「う〜〜」
すると、あーちゃんが何かを思い出したように体を起こし、ある扉を見つめた。
「あそこ、すぱいどうぐある!」
『スパイ道具?あれ?』
ドアノブを捻ってみるけど、あかない。
鍵がかかってるのかも。
「アーニャばんごうわかる」
『…心読んだの?』
「…わざとじゃないから、せーふ!」
そう言ってあーちゃんは迷いなく数字を並べ始めた。
「ろ、い、ど…………」
入力してからノブを捻ると、容易く開いた。
「あいたー!」
あーちゃんは嬉々として部屋に入っていった。
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