大ピンチ ページ12
家に帰るなり、お父さんはソファーで死んだように寝込んでしまった。
「ちちしんじゃった…」
本当に魂が抜けたみたいでちょっと心配になる。
お父さんを指でつんつんつついていると、インターホンが鳴り響いた。
「郵便でーす!」
『郵便屋さん』
「アーニャたちでる!」
玄関を開けると、予想通りたくさんのお手紙を入れたカバンを持ったお兄さんが立っていた。
「フォージャーさん?」
「アーニャ・ホージャーです」
『A・フォージャーです』
「これお父さんかお母さんに渡してね」
一通の封筒を渡された。
これなんだろ?
「ははそんざいしない」
「!?そう…ごめん…」
そんなこと言ったら、郵便屋さん困っちゃうよ…。
「ちちーっゆうびんやさんきたー」
封筒をもってお父さんの元に駆け寄る。
さっきと変わらずぐーすか寝たまま。
「……」
いいこと思いついちゃった。
二人で目を合わせて、一緒にお父さんの腕の中に収まった。
ちょっときつきつだけど。
「うおぉーっ!?なんだおまえらオレの命狙ってんのか!?」
…起きちゃった。
『郵便きてた』
「郵便?イーデン校からか」
お父さんは封筒をあけ、手紙を読み始めた。
すると、お父さんの動きが止まる。
「どうしたちち?」
「…二次審査の案内。三者面談だ」
『三者……』
あーちゃんと手紙を覗き込む。
「必ず両親と三人で出席すること…例外は認めない」
『両親…と?』
両親。というと…
一般的にはお父さん、お母さん、だ。
そして、うちには…お母さんはいない。
更に更に、例外は認めない……。
「……ははそんざいしない」
『ぼくたち、大ピンチ……!』
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