28話 ページ30
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くるす「だめに決まってんでしょ」
国見「でも…たぶん阿部さん帰ってこないですよ」
くるす「そりゃそうだろうね。前回の合宿もそうだったし」
国見「なら、いいじゃないですか」
くるす「どうなってもしらないからね」
国見「やった」
そう言って国見は布団に潜り込んだ。
しょいがない、後輩のお願いだ。
何かあったらこいつ罪擦り付けてやろう。
もうひとつの布団を敷こうと私が押入れをあけたときだった。
国見「くるす先輩」
国見が私の名前を呼んだ。
くるす「…何?」
国見「布団、要らないです。」
くるす「何、私に床で寝ろっていってんの?」
国見「そうじゃなくて…」
国見はそういいながら布団をめくった。
国見「その…同じ布団で…寝たいなって…」
顔を赤くしながら言った。
こんな照れてる国見ははじめてだ。
だけど、それは流石にまずい。
バレたら嫌われるどころじゃ済まない。
部活どころか学校での私の立場も危なくなる。
先輩として、このような風紀はきちんと注意するべきだ。
私は国見の隣に座って国見に語りかけた。
くるす「国見さ、今自分の言ってることわかってる?私と国見の関係は部活の先輩後輩で、私はそれ以上にもそれ以下にもなりたくない。国見にはずっと仲のいい後輩でいてほしい。今私が国見と寝たらその関係は崩れるよ」
国見「…」
くるす「もし不意に誰か入ってきたら?どう言い訳するの?」
国見「俺は…くるす先輩と…その…」
くるす「ごめんね…だからそれはできない」
国見「わかりました…」
涙目で俯いた国見。
私は後輩を泣かせてしまった。
私の言葉で人が涙を浮かべるなんて…
国見はそれほど私のことをおもってくれてたんだな…
罪悪感でいっぱいだった。
こんなに私を好いてくれるひとの気持ちに答えられなくて。
自分勝手な理由で人を傷つけて。
くるす「…」
その瞬間、もう何もかもが崩れてもいい気がした。
どうせ部活は辞めるんだ。
今、退部届けを出せば?
いつでも出せるよう実は毎日持ち歩いてるのだ。
そしたら、国見を悲しませなくて済むんじゃないの?
くるす「国見…」
国見「え…」
私は
布団で横になる国見の上に重なった。
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イナフ(プロフ) - とうふになりたいソボロゴハンさん» そう言って貰えてすごく嬉しいです!はい、頑張ります! (2017年4月8日 6時) (レス) id: d6a82f5fe9 (このIDを非表示/違反報告)
とうふになりたいソボロゴハン - すごく面白いです!更新頑張ってください!! (2017年4月8日 6時) (レス) id: 821c3e2849 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イナフ | 作成日時:2017年3月9日 23時