9話 ページ11
.
ガラガラガラ…
体育館のドアをあけ、入る。
そして、体育館倉庫からポールを取り出し、無言でポールを立てていく。
私が8割ほど仕事が終わった時だろうか。
朝と同じように、体育館のドアが開き、
大きなリボンを揺らしながら小柄な彼女は入ってきた。
マイカ「ふぅ、おくれちゃったぁ」
おくれたなんてぬかしてるけど、
いつも通りの遅さである。
そしてこの後のことはだいたい予想がつく。
「あとはマイカがやっとくから休んでて!」と言い、私を追い出す。
マイカ「木羽さん、疲れてるの?顔色悪いよ?」
くるす「えっ…?」
予想外な答えに少し戸惑った。
私の体調を気遣うなんて。
案外、いい奴なのかもしてない。
くるす「確かに疲れてはいるけど、大丈夫…」
マイカ「やっぱり、疲れてるんじゃん!じゃあ、あとはマイカがやっておくから向こうで休んでて!」
前言撤回。
気遣いのかけらもない。
予想的中でいつもと同じように私の手柄を奪う気だ。
反論しても、引っ張り出されるだけ。
体力と気力の無駄遣いになるだけだから、
私は言われるがままに外に出る。
そして、することのなくなった私は
ロッカールームに戻り、洗面台でボトルを洗うことにした。
ドリンク作るのは私だけど、運ぶのと配るのはマイカ。
つまり、表仕事はマイカがするということ。
私は誰も見ていないような仕事をする。
私がロッカールームの洗面台でボトルを洗おうと、水を出した時だった。
花巻「ちーす」
花巻さんが体育館へ来た。
花巻さんの後ろには松川さんと岩泉さんもいた。
マイカ「あっ、貴大先輩、一静先輩、一先輩、こんにちわ!」
花巻「マイカ、今日も早くからきて準備してたの?偉いなぁ〜」
マイカ「マネージャーなので当然っすよ!」
花巻「マイカは愛想もいいし本当いい子だなぁ、よしよし」
マイカ「ちょっとぉ、髪型崩れるじゃないですかぁ」
どうやら、花巻さんはマイカの頭を撫でているらしい。
そして、マイカは満更でもない顔でもしているんだろう。
だが、それを羨ましいとかは思わなかった。
それは私が花巻さんを根本的に嫌っているから。
相手はもっとなんだろうけど。
部内で一番私に敵意を向けているのは、花巻さんだと思う。
そのくらい私に対する花巻さんの態度が冷たいのだ。
だからわざわざそんな面倒な人には関わらりたくない。
31人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イナフ(プロフ) - とうふになりたいソボロゴハンさん» そう言って貰えてすごく嬉しいです!はい、頑張ります! (2017年4月8日 6時) (レス) id: d6a82f5fe9 (このIDを非表示/違反報告)
とうふになりたいソボロゴハン - すごく面白いです!更新頑張ってください!! (2017年4月8日 6時) (レス) id: 821c3e2849 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イナフ | 作成日時:2017年3月9日 23時