美しくて強い特待生 (ページ8)

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6.精神ページ8

『学園長先生、すみません。一つお願いがあるのですが。』

学園長「えぇ！なんでしょう！聞いて差し上げます！私、優しいので！」

『一ヶ月間、時間をください。私はこの世界の常識も、教科も、基礎が全く分かりません。その状態で特待生として出ても生徒からは不信感しか得られません。

なのでこの一ヶ月で、幼児向けから学者向けまで様々な本を頂きたいのです。』

その場にいた一同は驚いた。
鏡の前で涙を流した彼女が、透き通った目で、芯のある声で、そんな提案をするものだから。

【NRCの特待生】の名を傷つけない厳格な精神を

たとえ異世界でもここでくたばってたまるかという不屈な精神を

特待生という重い肩書きを背負う慈悲の精神を

今のまま入学した場合の評判とこれからを熟慮する精神を

この世の常識や学問ををたった一ヶ月で理解しようとする奮闘の精神を

異世界の地で学を身につけようとする勤勉な精神を

無知は罪だと愚か者にはならまいとするその高尚な精神を

闇の鏡が言っていた事を漸く理解できた。
彼女は、全ての寮に相応しい。

学園長「わかりました。ではその間は教員寮に。質問があれば各教科の先生に聞いてください！」

リドル「ボクも手伝えることがあれば手伝おう。」

アズール「お困りの事があれば、モストロラウンジへ。」

『ありがとうございます！』

みんなの前で宣言してしまった。
これでもう戻れない。

でもこのくらいがちょうどいいの。馬鹿な女は美しくないからね。
折角美しくなったんだから、その顔に相応しい努力をするの。