14.一ヶ月遅れの入学生 ページ14
学園長「それでは本日から3年生としてこの学園でお過ごしください!」
『え…一年生じゃ無いんですか?』
昨日入学と制服を渡され、今日の朝部屋に迎えに来た学園長がそう言った。
受け取った教科書は確かに3年の物だ。
学園長「ええ!テストの結果1、2年の範囲は完璧でしたので飛び級ということに!そして今日からオンボロ寮での生活になります!貴女と同じ異世界から来た1年生の女子生徒と共同生活です!挨拶に行きましょうか!」
『あっ、学校では目立ちたく無いので日中のユニーク魔法発動許可をお願いします!』
学園長「良いですけど…何するんですか?」
『認識率をいじれるので自分自身の認識率を低くして変装して静かに暮らしたいなって…』
自分で言うのもあれだが、この顔はかわいい。そしてスタイルもいい。自衛だ。
そうして学園の地理を覚えるため、転移魔法ではなく歩いて寮に向かった。
少し遠かったが、見えて来た建物は………それは……もう……趣があった……。
でもよく見ると、建物自体は大きくて素敵な洋館だった。
住まわせてもらう身だ。感謝しないと。
そう言いながらチャイムを押す。
学園長「ユウさん!失礼しますよ!」
ユウ「何?こんな朝早くに……って誰?」
『今日からここで住まわせて頂くことになりました。Aです。よろしくお願いします。』
ユウと呼ばれた少女は見定めるようにジロジロと見た後鼻で笑った。
『(なるほどね…仲良くはなれなさそう。)』
これは前世の職業病なのだが、ドレスで着飾りNo.1を争う歌舞伎町ではこの視線がまず挨拶。
『(慣れたものよね。)』
ユウ「あっそ、よろしく。こっちはこっちで生活するからあんまり関わらないでね。」
学園長「ちょ、ユウさん!そんな言い方…」
『大丈夫ですよ、勉強したいのでその方が都合いいです。』
ユウ「真面目ちゃん?あーやだやだ。エース達待ってるしもう行くから。」
そう言って玄関先から強引に出て行ったユウちゃん。
ま、気にしない。私も行かなきゃと思い学園長に挨拶して校舎に向かう。
私のクラスはえっと…3-A…。
教室に入るとこちらを見て静かになる。少し会釈をすると、次第にうるささが戻ってきた。
「女の特待生とか言うから、かわいい子かと思ったのに地味すぎない?」
「ガリ勉だろ。」
あちらこちらから声が聞こえる。
あまり目立たないように三列目くらいの窓際に座る。
隣に誰もいないし、片側は壁。
『(今日から頑張るぞ)』
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たききき(プロフ) - 続きが楽しみすぎます (2022年10月22日 9時) (レス) @page15 id: f62f374630 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:更木 | 作成日時:2022年2月2日 0時