おにいちゃん ページ9
．
．
「……何してんの」
慧「やだなあ、そんな目で見ないでよ」
「お弁当届けてくれたのはありがとう。でもさ、誰が一緒に食べていいって言った？」
4時間目が移動教室だった今日、教室に戻るとなにやらざわざわしてて。
何事かと思って見れば見慣れた顔とバッチリ目が合った。
いくら大学と高校一貫だからって……あんな堂々といないでよ。
「うわ、」
慧「はいこれ」
「……ありがと、じゃさよなら」
慧「ちょーっと、俺もう講義ないんだぁ」
「で？」
慧「たまにはお兄ちゃんと食べよーよ」
「お断りします」
慧「いーもん、Aのお友達に許可とるし」
何故か私と、友達と、お兄ちゃん。でご飯食べてます。謎メン、カオス。
てか友達もなんでお兄ちゃんのことおっけーしちゃうのよ。
慧「Aの友達が良いって言ったからいいでしょ？」
『はい！大歓迎です♡』
慧「みんなは好きな子とかいないの？」
「は！？お兄ちゃんそれセクハラだよ！！？」
爆弾発言を落としたお兄ちゃんはへらっと笑ってて友達はいないですよー、なんて。
なにこの疎外感、
『うちの学年の男子、みんなAに夢中なんで』
慧「あやっぱり？ウチの妹可愛いでしょ？これでも小さい時は『おにいちゃんとけっこんする！』なんて言ってたんだよ」
「いつの話してんの、」
慧「んー、10年くらい前？あん時は素直で可愛かったのにー」
「余計なお世話」
私とお兄ちゃんの会話を不思議そうに見つめる友達。なに、なんか変な会話してる？
『Aと伊野尾先輩ってほんとに兄弟なんですね』
「え？何今更(笑)」
『それ思った！顔も凄い美形だしそっくりだし』
慧「俺かっこいい？」
『はい！すっごく！！』
「恥ずかしいからやめてバカ兄」
__
侑李「僕ですら一緒にお弁当食べたことないのに〜あのくそ兄貴め……」
『お兄ちゃんにまで嫉妬してたらキリないぞ(笑)』
．
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もち。 | 作成日時：2019年7月14日 22時
