ひみつ ページ26
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光「待って、手あわせていい？」
「ああ、うん…」
私のお母さんの仏壇の前で手を合わせる3人。
中1の冬、出張先で事故に巻き込まれて天国に行っちゃったんだよね。
出張が多かったお母さんだったけど、充分愛されてたし私もお兄ちゃんもそんなお母さんが大好きだった。
お父さんはずっと働き詰めで今は社員寮に住んでるからほぼお兄ちゃんと二人暮らしの状態。
会いたいけど私たちのために働いてくれてるんだもん
普通の学校に転校だって出来たのにそれをしなかったのはお父さんの愛情。
「……お母さん、」
侑李「A？」
気づいたら涙が溢れてた。もっとたくさん話したかった。もっとたくさん、お母さんの笑顔が見たかった。声が聞きたかった。
もっとたくさん、家族4人の思い出が欲しかった。
「うっ、ごめん、大丈夫…」
侑李「大丈夫じゃないでしょ。」
「………っ、ごめん」
学校のみんなには全然言ってないし、知られたくもないけどこれも腐れ縁で幼馴染だから仕方の無いこと
どうしても知られちゃうの。
侑李は私を抱きしめて頭を撫でてくれた。
友達にも恵まれてお兄ちゃんにも異常なくらい愛されてる、と思う。
充分幸せだと思ってたのに私やっぱり……
「ううーん！！」
侑李「ん、え？」
「わたし、充分幸せ！」
侑李「うん、？」
「みんな大好きだし、お兄ちゃんも光くんも宏太くんも、もちろん侑李も。ずっと一緒にいてくれるもんね？」
侑李「うん、ずっと一緒だよ」
「どこにも行かないよね？」
侑李「うん、ずっと」
こうやって言ってくれる人がいるんだからこれ以上は望まない、
お母さん
私はみんなのおかげで楽しく毎日を送っています。
お母さんもゆっくり休んでね。
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作者名：もち。 | 作成日時：2019年7月14日 22時
