君は一体何者ですか【稲荷崎】

仲間とは何か ページ11

夢主 side





貴『クロと話すのやっぱ1番楽だなぁ』




黒「やさしー黒尾先輩♡だからな」




貴『そーゆークロは好きじゃない』





クロと他愛もないような話を続ける





貴『ねぇ、クロ』




黒「ん？なんだよ」




貴『私さ、クロのこと大好きだよ』




黒「……は？お前ｯ、は？！」





クロの焦ってる声が聞こえる





貴『あっ、いや、そうじゃない！あの、研磨も大好きだし、みんな大好きって事！！』




黒「あ、あぁ、そーゆうな？？」




貴『うん、クロも研磨も大好き。もちろん夜っ久ん先輩も、虎も、みんな大好き……本当に大好きなんだ』



黒「……おう」





クロも雰囲気を察したのか、真剣に聞いてくれてる





貴『だからさ、音駒を離れるってなった時本当に辛かった。クロと、皆と離れるのすごく嫌だった』




黒「…………」




貴『こっちに来てから1.2ヶ月経つけどさ、やっぱ一緒に居たいなって思っちゃうんだ

二度と会えない訳じゃないし、会おうと思ったら会えるけど、そうなんだけどさ


皆が全国行って、頑張ってる時にベンチで応援してるの私じゃないだなぁって思うと、なんか凄く辛くてｯ…！』




頬に冷たいものが伝う


ﾎﾟﾀｯ ﾎﾟﾀｯ とコンクリートの上に落ちて滲んでいく





貴『今まで、ずっとクロと研磨とバレーやって来たのに、クロの最後の試合の時も隣で、同じコートで喜べないんだなってｯ』




黒「…なぁ、A」




私が感情的になってほぼ叫んでるよな声で話してるのを、クロは静かな声で遮る




黒「俺はさ、Aとバレーすんのすげぇ楽しかった。いっつも研磨とAが側にいてそれが当たり前だと思ってた」




クロが話し始めたのを私は黙って聞く




黒「だから、俺もAが転校するって聞いた時はすげぇ取り乱したし、ショックだったよ

Aが居なくなるってなんか実感湧かなかったし、でもこの1.2ヶ月で痛い程思い知らされてんだ



“もうAはここには居ない” “俺の側に居ない”って」





黒「それにAが稲荷崎の男バレのマネをする。なんて聞いた時は、正直嫉妬で狂いそうだった


俺の側にAはいないのに、稲荷崎のヤツらは側に居れるなんて…！ってな

恥ずかしいだろ、高３にもなって幼なじみが他のやつの所に居るから嫉妬だなんて」




そう自傷的に言うクロは今どんな顔をして、どんな思いで話してるのだろうか



今日は色んな意味で忘れられない日になりそうだよ、クロ___

主将の覚悟→←ブヒャヒャ！！

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