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「淳太はんー、なんていうんやろ？幼なじみかな？近所に住んでてな、昔からよく知ってるんよ」
神ちゃんが当たり前みたいに俺との関係を流星に話す。
話さないでほしい、と思いながらも俺の思いとは裏腹に神ちゃんは俺の話を流星にした。
流星の顔が徐々に固くなっていくのを感じながら、俺は焦燥感を抱き始めていた。
流星の好きな人って……。
まさかやけど、神ちゃん？
いや、いやいやいや。
え？でも、神ちゃん、の可能性って全然あるし。
昔から神ちゃんってモテてて、同性には特に好かれてたし。
有り得へんことではなくて。
でも、いや、そんな、まさか。
信じたくない気持ちとは裏腹に、流星の神ちゃんを見つめる目が俺とは全く違うことにも気づいていて。
…嫌、やねんけど。
だって、神ちゃんやで？
弟みたいに可愛がってきた可愛い子のことを好きな人が、俺の好きな人？
なんやその笑えへん冗談。
くだらんジョークも程々にしてくれ。
「…神ちゃん、あの、俺そろそろ勉強したいで帰るわ。時間も時間やし」
時計を確認して、神ちゃんに許可を取ろうと話しかける。
神ちゃんは「あ、もうそんな時間か…」と呟き、流星に断りを入れて、俺と一緒に帰ることにしたようで。
いや、え？
もっと話さんでええん？
俺、話見てるの辛かっただけやしもっとはなしててくれてええのに。
「神ちゃん、話さんでええん？流星と話したいことあるなら俺先帰っとくし」
「え？いやええよ、流星とは明日でも沢山話せるしな、それに流星も部活あるし」
「でも流星話したそうやったけど」
「んーまぁ明日話すし。それに淳太は学年も階もちゃうから今しか話せへんやん」
「それはそうやけど…」
「ほら、帰らな時間ヤバいで」
神ちゃんが俺の腕を掴み、先を歩く。
え、ちょ、ええん？と思いながら振り返れば流星がこちらに手を振っていて。
遠慮がちに手を挙げて振り返せば、流星はニコリと笑った。
たとえそれが愛想笑いだったとしても、俺の心は分かりやすく躍るんやから恋って厄介や。
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作者名：塘 | 作成日時：2024年3月22日 21時
