不毛ゆえに盲目 (ページ4)

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「こうして2人で歩くんも久々やなぁ」
「せやね。神ちゃん毎日楽しそうやでなぁ…1年やともうすぐ遠足もあるやろ」
「ん、めっちゃ楽しみやねん。なんせ班に仲ええ子おるからな」
「お、ええね」

遠足なぁ、楽しいよな。
俺もすごい楽しかった記憶あるわ。

神ちゃんと同学年なら行先同じやったんやけど、残念ながら2つも学年が離れてしまっとるから一緒に行けることはない。

俺も同い年やったらなぁ。
流星とも同い年やし。
少しは脈あったかも、とか思ったり。
無駄なタラレバやな。

「…神ちゃん？」

その時だった。
神ちゃんの名前を呼ぶ声がして、声の方向を見る。

するとそこには、流星が立っていた。

え……流星？

「お、流星！どしたん、部活は？」

神ちゃんが流星の方に走っていく。
俺は急な登場にびっくりして、その場に固まっていた。

あの日以来の流星。

サッカー部の練習中なのか、ユニフォーム姿。
制服以外の流星を見るのは初めてだった。

「あー今休憩中…神ちゃんは帰るとこ？」
「せやねん、もう帰るとこ」

神ちゃんと流星…そっか、同い年やで話す機会もあるか。

そういえばクラス同じやったような。
あーそりゃ話したことあるはずやわ。

でも“神ちゃん”って呼ぶくらい仲ええんや。
しかもわざわざ声かける相手…友達なんやろうな。

神ちゃんがちょっぴり羨ましい。

「淳太、センパイと仲ええん？」

流星が神ちゃんに問いかける。

あ…なんか、嫌な感じがする。
流星の目が少しだけ俺に向いて、すぐに神ちゃんに向く。

その目が少し、少し、嫌な目だった。

なんとなく、わかった。
わかってしまった。

いや、まだ分からへんし。
ちゃうかもしれんから。

「え、流星こそ淳太のこと知ってるん？」
「…うん。知ってるいうか、委員会同じでペアやから」
「あー！流星のペアって、淳太やったんや！えー2人知り合いなんや！そうなん、えー嬉しいなあなんか」

神ちゃんの声は嬉しそうで、弾んでいる。
友達と昔からの知り合いが実は知り合いだったのが嬉しいのだろう。

神ちゃんはそういう子だ。

「神ちゃんは、なんで知り合いなん？」

流星の声は少しだけ硬い。

嫌な予感がした。やっぱり当たる気がすると思いながら心の奥底でそんなわけない！と叫んでいる。