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気は焦るのに、走り出せないのは腕を掴む彼のせいで。
「は、離してください！」
「職員室はこっち。」
そう言って、樹音先輩はAの走ろうとする真反対を指さしてにっこり笑う。
「もしかして転校生なの？なら俺が職員室まで案内するよ」
この台詞がキスされる前なら飛び跳ねるように喜べたのに。
「い、いいです！場所を教えて貰えれば、」
「いいから、さっきのお詫び」
そう言って彼は有無を言わせず、Aの手を取り前を歩き始めた。
「もしかして迷子だった？」
「いえ、その、」
他に返しようがない。
「災難だったね」
「………」
全くもってその通り。
「でも俺が見つけて良かったね。じゃないといつまでたっても職員室に行けなかったし」
「………」
止まった涙は彼のおかげなんだろうか。
一方的に繋がれた手を見ながらそんなことを考える。
するといきなり彼が立ち止まるからAは「わっ」と小さく声をあげると綺麗な声が降ってきた。
「ほら、ここ」
見上げれば確かにそこは『職員室』の文字。
こんな時はやっぱりお礼を言うべきなのかな。
複雑な思いにAが戸惑っていると樹音先輩が勝手に職員室のドアを開けた。
「ん？池亀じゃないか、どうした………って」
樹音先輩はにっこり笑ってAを中に引き入れた。
「迷子の子見つけたんだけど」
「おぉ！転校生か！さっきまで担任の橋岡先生が…」
「じゃあね。」
先生の声よりも通る声に思わず顔を向けると、樹音先輩はにっこり笑って職員室を後にした。
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あいうえお - 解釈不一致なのに新しい道が開けたっていうか全て星様の文才によるものというか、ほんと面白いです、これからも応援してます！！！ジュノンくん最高！！！！！ (5月23日 21時) (
レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 天才すぎます、ありがとうございます、読み続けます、、、、 (5月23日 21時) (レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 最近の中で一番好きな夢小説です、！ (5月22日 23時) (レス) @page35 id: 7c9597bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星 | 作成日時：2023年5月18日 20時
