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コートではシューズの摩擦音とボールの弾む音が響き渡る。
その中でもリズミカルな音にどうしても耳は傾き、視線は惹き付けられてしまう。
「バスケだけが超一流なのは認めるわ」
あの高橋先輩ですらそう言ってしまうほどのバスケセンスとボディーコントロール。そして司令塔として大事な広い視野とゲームメイク。
少しでもバスケをかじったことのある人なら、いや、知らない人ですら見ているだけで彼の凄さを感じるだろう。
「行こ」
彼女の声にAは自分が樹音先輩に見とれていることに気付き、「はいっ」と肩を揺らしながら答えた。
一日が終わる。
高橋先輩のおかげで彼と話す必要も無く話しかけられることもなく、Aは体育館の鍵をかけた。
なのに。
「樹音先輩」
体育館の影から聞こえるその名前にAの足が止まってしまう。
「…あー、俺先行っとくわ」
「いいよシュント、外さなくても」
シュント先輩の呆れるような声に涼やかな彼の声。
「えっ、あの、でも…」
戸惑う女の子の声。
当然だろう。
こんな所で彼を呼び出して言うことなんて告白以外の何物でもない。
「うん、でも地区大会が近いから付き合ってる暇無いんだよね」
淡々とした口調でそこまで一気に言った台詞はかなり予想外で、これは本当に樹音先輩なのかと耳を疑いたくなるほど。
最後に「ごめんね」と付け加えて「行こ、シュント」とこっちに向かって歩いてきたからAは急いでその場から逃げようと足に力を入れて。
「…！痛っ、」
慌てていたから思わず力を入れてしまった利き足に走る激痛。
Aは逃げる事も出来ず、崩れるように座り込んでしまった。
「Aちゃん」
その声にビクッと身体が揺れる。
「大丈夫？じゃないね。保健室…｣
「大丈夫ですっ」
Aは彼の声を遮り、左右に力を入れるとゆっくりと立ち上がる。
「…本当に大丈夫ですから」
「それでも俺が放っておけない」
そう言って彼は少し節ばった大きな手を差し出した。
けれどAはその手を見つめるだけで取ったりはしない。
「おいジュノン。めっちゃ警戒してっけど」
楽しげなシュント先輩の声に彼の乾いた笑いが重なる。
「やっぱそう見える？」
すると「Aさん！」と高橋先輩の声が聞こえAはやっと顔を上げた。
「どうかしたの？」
「なんでも、ないです」
終わり
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あいうえお - 解釈不一致なのに新しい道が開けたっていうか全て星様の文才によるものというか、ほんと面白いです、これからも応援してます！！！ジュノンくん最高！！！！！ (5月23日 21時) (
レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 天才すぎます、ありがとうございます、読み続けます、、、、 (5月23日 21時) (レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 最近の中で一番好きな夢小説です、！ (5月22日 23時) (レス) @page35 id: 7c9597bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星 | 作成日時：2023年5月18日 20時
