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じゃあ、初めて会った時のキスは？
そして昨日の。
いや、あれは嫌がってなかったかもしれない。
思い出せば、唇から熱くなる感覚にAが俯くとひざを覆うAの手のから樹音先輩の手が優しく重なる。
瞬間、ビクンと肩が揺れ心臓はとんでもなく強くAの胸を叩き始めた。
「ちょっと熱持ってるね」
いつものように澄んだ声はAの心臓に拍車をかける。
「病院、行く？」
その台詞には急いで首を振って。
「…湿布とテーピングで大丈夫です」
疼く右ひざとバクバクと音を立てる心臓、その両方に浮かされた頭はパニック寸前で、変な汗すらにじみ出る。
「ジャージ、膝までまくるよ」
いいですっ、と言おうとしたが声も出ず、長い指から逃げようと足に力を入れると右ひざは悲鳴をあげた。
「っ、いたっ、」
「ほら、じっとしてて」
丁寧にジャージの裾をまくっていく長い指が艶やかしい。
「やっぱり腫れてるね」
そっと右ひざに置かれる彼の手はひんやり冷たくて、Aはその気持ちよさに小さく息を吐いた。
「冷たいよ」
その声の後、冷たい湿布が優しく置かれる。
けれど、不思議とさっきほどの安心感は得られなくてAは顔を上げた。
真正面に見える樹音先輩の顔。
柔らかそうな金髪の髪に、綺麗なブルーのツートーン。少し細い切れ長な目に、すっと通った形のよい鼻。そして薄い魅惑的な唇が夕日に染まりオレンジに煌めく。
「テーピング、キツめの方がいい？」
彼の声で見とれていたことに気が付いてAは「あっ、はい」と飛び跳ねるように返事をすると、彼は優しそうな笑みを見せる。
そして、大事なものを扱うかのようにゆっくりとテーピング。
彼の長い指がAの素肌を優しく撫でるように這っていけば、まるで自分が大事に扱われているような感覚に陥ってしまう。
どうしようもなく優しくて、くすぐったくて。
気持ちよくて。
「早く、戻ってください」
そうしないとこの雰囲気に飲まれてしまいそう。
「置いてけるわけないでしょ｣
「…大丈夫ですから」
「大丈夫には見えないけど」
「…彼女さんが心配しますよ」
きっと、あの中にいるだろう。
だから早くここから居なくなってよ。
「誰のこと言ってんの？」
あっけなく返された答えにAは顔を上げ彼を見つめた。
「…誰って、私が知るわけないじゃないですか」
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あいうえお - 解釈不一致なのに新しい道が開けたっていうか全て星様の文才によるものというか、ほんと面白いです、これからも応援してます！！！ジュノンくん最高！！！！！ (5月23日 21時) (
レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 天才すぎます、ありがとうございます、読み続けます、、、、 (5月23日 21時) (レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 最近の中で一番好きな夢小説です、！ (5月22日 23時) (レス) @page35 id: 7c9597bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星 | 作成日時：2023年5月18日 20時
