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Aの心を見透かしたような彼の台詞に戸惑ってしまう。
けれどソウタが「早く」と手を引っ張るから、Aはポケットから鍵を取り出し彼の手のひらにそれを手渡した。
「お疲れ｣
澄んだ声に顔を上げれば、綺麗な顔はオレンジに染まりいつもは涼しげな笑顔に暖かささえ感じて。
「A、」
急かすようなソウタの声にハッとして、
「…それじゃ、失礼します」
と、Aは軽く頭を下げ体育館を後にした。
なんであんなこと。
どんなに後悔してもしきれない。
唇にそっと指先を当てるとあの感覚が呼び戻されて顔がカッと熱くなる。
「……最低」
キスしてきた彼も、それを拒まなかった自分も。
Aは大きく頭を振った。
忘れよう。
きっと彼にとっては何百とキスした中のひとつ。
記憶にも残らないだろう。
Aは彼の感触を拭い去るように急いでジャージを脱ぎ捨て、制服に着替え始めた。
更衣室から出てくると壁にすがるソウタがAに気付きニカッと笑う。
「家まで送る」
『いいよ』と断った所でソウタが承諾しないのを知っているからAは少しだけ困ったように笑みを作り小さく頷いた。
微かに残る夕日は空にオレンジと紫の境界線を作る。
足元の影は細く、代わりに街灯が灯り色んな方向に影を作り始めた。
「なんかあった？樹音先輩と」
聞きにくそうなソウタの声にAの肩は少しだけ震えるが、それを隠すようにAは小さく首を振った。
「ううん、なんで？」
見られたのだろうか？
もうしそうなら何て言い訳をすればいいのだろう
Aは走り出す心臓を抱えながらソウタの台詞を待った。
「いや、泣いてたから。なんかされたのかと思って」
そんなソウタの台詞に少しだけホッとして、少し考える。
「ううん、ちょっと目にゴミが入って。私コンタクトだから」
あまりにベタな言い訳。
それでも他に浮かばなかったのだから仕方ない。
けれど、そんな言い訳にソウタは「…ならいいけど」と返してくれたからAは心の中でホッと息をついた。
「でも、」
強い口調のソウタにAはビクッと肩を揺らし顔を上げる。
「なんかあったらすぐ言えよ」
なんて笑いながら胸を叩くからAは「ありがと」とはにかむように小さく笑った。
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あいうえお - 解釈不一致なのに新しい道が開けたっていうか全て星様の文才によるものというか、ほんと面白いです、これからも応援してます！！！ジュノンくん最高！！！！！ (5月23日 21時) (
レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 天才すぎます、ありがとうございます、読み続けます、、、、 (5月23日 21時) (レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 最近の中で一番好きな夢小説です、！ (5月22日 23時) (レス) @page35 id: 7c9597bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星 | 作成日時：2023年5月18日 20時
