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部活の時間。
鍵を開け用具の準備、それが終わる頃には部員が揃い、1番最後に彼が体育館に入ってくる。
「頑張ってくださ〜い！」
「応援してます！」
なんて黄色い声援と一緒に。
「始めよっか」
それでも彼の澄んだ声はそんなものにかき消される事無く館内に響き渡り、続いてボールとシューズの摩擦音が支配する。
マネージャーのAと高橋先輩は館内の用事を済ませ部室の掃除に向かった。
ロッカーは個人管理だが、共有部分は彼女たちが掃除する。
窓を開け放ちゴミを拾い上げ、床を掃いて…
「ふぅ、」と隣から聞こえてくる疲れた声にAは「大丈夫ですか？」と彼女の手からほうきを取り上げた。
「あぁ、大丈夫大丈夫、ちょっと風邪気味なのかな」
そう言う彼女の顔は少し汗ばんで、ほんのり赤い。
Aは何も言わず彼女の額に手のひらを当て驚いた。
「えっ、凄い熱ですよ？」
「大丈夫だって、｣
笑いながらAの手を払うがその力も弱々しい。
「後は私がやりますから、今日は帰った方が」
「平気、ほら次はドリンクを作って…」
「明日休まれる方が困りますから、だからっ」
そう言って彼女をそばのベンチに勧めると彼女は力なくストンと座り、右手で頭を支えた。
「…ごめんね、じゃあ悪いけど」
「はい。あとは簡単な仕事だけですから気にしないでください」
「これ、体育館と部室の鍵。終わったら職員室までお願い」
彼女がポケットから出した鍵をAは｢分かりました｣と受け取りジャージのポケットにしまい込んだ。
彼女が帰った後も何事もなく部活は終了し、館内には誰もいなくなっていた。
Aを除いて。
窓も全部鍵がかかっているのを確認して…
「あっ、」
見つけたのは暗幕に隠れたオレンジ色のボール。
Aはそれを両手で拾い上げそのまま額にくっつけた。
ボールの匂いが懐かしい。
コートに降りてボールを一回バウンドさせるとティンッと独特の音が館内に響く。
もう一度バウンド、それから片手でドリブル、手に持って1、2、3でジャンプしボールを放る。
オレンジのボールは透明なボードにぶつかりそのままリングの中に吸い込まれ、ザシュッと音を立てるとダンッと床に。
ボールはコートの外に転がり、赤に白いラインのバッシュの前で止まった。
「レイアップ、綺麗だね」
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あいうえお - 解釈不一致なのに新しい道が開けたっていうか全て星様の文才によるものというか、ほんと面白いです、これからも応援してます！！！ジュノンくん最高！！！！！ (5月23日 21時) (
レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 天才すぎます、ありがとうございます、読み続けます、、、、 (5月23日 21時) (レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 最近の中で一番好きな夢小説です、！ (5月22日 23時) (レス) @page35 id: 7c9597bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星 | 作成日時：2023年5月18日 20時
