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ひどく慎重に聞いてくる彼女にAはいい加減苛立ちを覚えながら首を傾げる。
「あの、あいつって誰なんですか？」
Aがそう言うと彼女はいきなりAの両手を取って「本当に知らないのね」と満面の笑みを見せた。
「だから高橋先輩に…」
「分かってる。こんな貴重な人材、簡単に手放すわけないでしょ」
そんな彼女の声にソウタは安心したのか「じゃあお願いしまーす」と言い、すれ違いざまAに「頑張って」と言葉を残して倉庫を出て行った。
「えっと、じゃあとりあえずボールのチェックとそれから、、、そうだ、名前は？」
やっと名前を聞かれAは苦笑いをしながら「佐藤Aです」と名前を告げた。
まだ部員は全員集まらない。
マネージャーは部活が始まるまでにやることが沢山ある。
ボールのチェック、ドリンクの準備に全員分のタオルの用意、など。
それらが終わると部員が揃い始め、高橋先輩がAを呼んだ。
「みんなに紹介するね」
彼女は嬉しそうにAの手を引いてコートに向かう。
ダンッ、キュッ……ザシュッ
小気味のいいボールの弾む音、床とシューズの摩擦音、ボールがネットを抜ける音。
全てが懐かしく愛おしい。
それを聞きながら人が群がるベンチに向かった。
「部長は？」
高橋先輩は部員に聞くがその答えは返ってこない。
「またどっかで女といるんじゃないすか？」
「あぁ、有り得る有り得る(笑)」
「こないだなんてさ、」
そんな部員の会話に高橋先輩は大きくため息をついて頭を抱える。
「よっ、」
ポンと肩を叩かれ振り返るとそこにはジャージ姿のソウタが笑う。
「あ、ソウタ」とAも笑顔で返す。
「ねぇ、『あの人』ってもしかして部長のこと？」
そう聞くとソウタは気まずそうに「まぁね」と答え頭を掻いた。
「悪い人じゃないんだけどね。バスケは超上手いし」
きっと女癖が悪いのだ。
今までのみんなの会話で理解し、Aは「気をつけよ」と心で思った。
勿論、相手にされるかどうかなんて分からないけど。
「あぁもう、誰かあの馬鹿に電話して」
そんな高橋先輩の声が館内に響く。
「俺ならここにいるけど」
その澄んだ声に誰もが振り向いた。
綺麗に染まった金髪に、前髪から襟足にかけては真っ青なブルー。綺麗な顔はそのままに優しい笑顔を湛え彼はやってくる。
「じゃあ、練習始めよっか」
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あいうえお - 解釈不一致なのに新しい道が開けたっていうか全て星様の文才によるものというか、ほんと面白いです、これからも応援してます！！！ジュノンくん最高！！！！！ (5月23日 21時) (
レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 天才すぎます、ありがとうございます、読み続けます、、、、 (5月23日 21時) (レス) @page1 id: 4e657aa584 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 最近の中で一番好きな夢小説です、！ (5月22日 23時) (レス) @page35 id: 7c9597bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星 | 作成日時：2023年5月18日 20時
