たくさんの愛を、君に。 (ページ9)

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あれから1週間が経とうとしている。

Aと過ごせるのも残り1週間。

『お兄ちゃ！』

Aはすっかりここの生活に慣れている。

配信をとる時は誰かがAのことを見てくれているから安心出来る。

俺の生活習慣も改善され始めていた。

飯はちゃんと3食くうようになったし、

寝る時間はAを寝かしつけるとこっちまで眠くなるので一緒に寝たり

動画のストックも少しずつだが撮るようになった。

なんなら最近の動画は子供を育てるだとか、誰かの人生を見るだとか、そんな動画が多くなっている。

こんな生活もいいな…

Aと暮らすようになったらこんな毎日が待っているのだろうか。

なんて考えたり。

そう思いながら俺は隣にあるベッドで寝ているAの頭を撫でた。

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ))

キ「はーい」

フ「よっ」

玄関の前に立っていたのはフジだった。

キ「どした？」

フ「ちょっと話があってよ」

フジは部屋に入ると、寝ているAに小さな声で話しかけた。

フ「Aちゃん、いい夢見ろよー」

キ「起こすなよー」

フ「わーってるよ」

キ「で、話って？」

フ「Aちゃんのことなんだけど」

フジは真剣な顔で俺の目を見た。

フ「施設での話し合いの後、俺、園長先生に言われたんだ。

キヨが引き取るって言ってくれて嬉しいって。キヨが引き取ってくれることが1番Aちゃんにとってもいいことだってね。」

そんなことを言われていたなんて。

フ「キヨが、Aちゃんが傷つかないとは言いきれないって行った時、上っ面だけの人間じゃないって分かってくれたらしい」

キ「そっか」

フ「俺らも、Aちゃんを幸せにしたい」

キ「ありがとうっ…」

園長先生にも、フジがそう思ってくれてることも嬉しくて、鼻の奥がツンとした。

『んん……おにぃ、ちゃ、、』

フ「寝言？」

キ「絶対幸せにしような」

フ「おう」

Aは、笑った顔で寝ていた。