たくさんの愛を、君に。 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,212 hit

#5 ページ5

園長「はい、みなさん、ご飯を食べましょう」

年老いた白髪の女性が号令をかける。

園長「皆さんもぜひ、食べて言ってください」

フジ達3人は、俺が女性職員の相手をしているうちに子供たちの人気者になっていた。

男の子「こーすけ！！ここのモンスターまじ強いんだけど！」

女の子「ヒラくんは、パパ役ね？」

男の子2「フジの持ってきたカードゲーム超たのしい！」

はぁ、羨ましい。

別に子供たちに囲まれているのが羨ましいんじゃない。

なんで俺はベタベタしてくる女の相手をしなくちゃいけねぇんだよまったく。

てか、Aは？

Aの姿を探すと、教室の隅の方で本を読んでいた。

女「みんなぁ〜？ご飯だよぉー、せんせぃ達のぃうこと、きけるよねぇ」

バラバラに遊んでいた子供たちがテーブルを囲む。

Aが少しだけど、明るくなって俺の方に駆け寄ってきた

『お兄ちゃん、Aと一緒に(女「Aちゃんはぁ、ここぢゃないよねぇ？」えっ、はい…』

んだよこいつ。

Aを俺の隣から外すと、狙っていたかのように俺の隣にやってきた。

くっそ。

園長「本日は本当にありがとうございました」

キ「いやいや、こちらこそです」

昼食の時間も終わり、俺たちが帰ろうとしていた時だった。

「「きゃーーー！！」」

教室の方から女の子たちの悲鳴が聞こえてきた。

フ「なっ、なに！？」

慌てて悲鳴が聞こえた方へ向かう。

そこには、ほっぺたを赤くしたAと、

手を挙げたであろう先程の女の姿があった。

園長「あなた！！子供に手を挙げたんですか！？」

女「こいつ…こいつが……」

女は、A、いや、Aの後ろにいた小さい男の子を指さした。

名札には＜３才五十嵐とおる＞と書いていた。

男の子「俺見たよ！！とおるが先生のピアスを引っ張って、、それで、叩かれそうになって、そしたら、Aが守ってて……」

園長「だから何度も言ったでしょう！幼い子供がいるんですから、そんなジャラジャラしたアクセサリーはやめなさいと！！」

女は、俺たちがまだいることに気づくと、

女「まじで…なんであんたが相手されてんのよ……」

女はAに向かって手を掲げる。

キ「おい…」

俺は、その手を強くつかみながらこう言った。

キ「Aに手を挙げてみろ。許さねぇからな」

人生で1番と言っていいくらい低い声が出た。

…………………
文字数！！！