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天使86 ページ28

貴「大丈夫、なわけないよね」

ボロボロと涙が止まらないAの背中をさする

グズグズと下を向いている



貴「Aも頑張ったよ」

貴「やっと言えたじゃん」

貴「________でも」



本当に良かったの？なんて言えない

頑張って伝えたんだから

ヒロトと対等になりたいのになれない

周りが認めてくれない

それをヒロトはずっと勘違いしてるって



『い、いの』

『私は、前の自分が嫌い』

『だから________』





『今の私を褒めてくれて嬉しかった』





俺に微笑みかける天使

ヒロトは昔のAが好きって言ってた

でも、Aは何も考えないで

何も知らないでヒロトと対等に話してた自分

それが嫌い

自分の首を自分で締めて

立場をわきまえなかった自分が嫌い





貴「俺も、って言っても昔のAを知らない」





貴「けど、昔のAも好きになりたい」





貴「昔も今のAも好きになりたい」





貴「俺はAの全部が好き」





そう言う貴利名くんは本当にずるい

昔の私を知らないのに

こんな私を好きって言ってくれる

前の私も今の私も

でも、貴利名くんの好きは私とは違う



『私も、貴利名くんの事、好き』



『私も守られてばかりじゃなくて』



『"友達"のこと、守りたいな』



前に言ってくれたよね





貴「じゃあ、練習してみよ」

貴「俺のこと守ってみて？」





笑ってたし冗談だと思う

でも、私はそうは捉えないよ

だって、言われた時に守りたいって思ったもん

一緒にいたい、守りたい

貴利名くんの笑顔を近くで見ていたい

貴利名くんが辛い時は助けたい



貴「友達かぁ」



微笑みながら頭を撫でる

酷く落ち着く優しい手

やっぱり私はこの人の事



(好き、だよね、、、？)



ヒロトさんなんて好きじゃない

好きじゃないのにヒロトさんに睨まれた時

すごく胸が締め付けられた

あのヒロトさんの目が嫌い

態度にすぐ出して、物にすぐ手を出すところも

なのになんで________



(ヒロトさんのこといっつも考えるの)



私は煩悩を捨てる、捨てたい

ドロドロと溶けていきそうな感覚



貴「A、、、帰ろう？」

声の方を見ると心配そうに眉を下げる人

私の好きな人

でも、なんで________

貴利名くんが辛そうな顔するの？



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やっべ完結できっかな(焦り)

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