気になるあのコはニガテなコ？３

イメチェン68 ページ10

頬に手を当て目を瞑る
浮かぶ姿は王子様
灰崎と吉良くんを止める逞しい腕



(私も掴まれた〜〜〜〜い)



業務そっちのけで恋愛脳発動
むふふな妄想を繰り広げてる私の隣を通る影
この香りは...成龍くんではない
似てるけど少し違う太陽のような香り

近くから聞こえた椅子を引く音
音の方向を見るとぽやんと私を見つめる
どこかで見たことある人



貴「俺の顔になにかついてる？」

キラキラした眼差しで何人の女を射止めたの
？の浮かぶ私をよそに彼はじっと見つめてくる

『だ、誰！！？なんでここに座ったの？』

噛み合わない会話
お互いに聞きたいことを押し通す

(席なら他にも空いてるのになんで...)

するとキミはニコッと微笑む



貴「雷門中の氷浦貴利名」

貴「どうしても話してみたくって」

貴「イメチェンガールさんと」

『！！！！！？？？？』



緊急事態発生、緊急事態発生
目の前にいるのは紛れもない
"氷の微笑"氷浦貴利名

パソコンを打つ手を止める
動揺して重なってた資料が崩れた
汗ばむ手を握りしめる



『な、なんのことかな〜？』

(な、なななんで！？どこでバレた！？)

(全て完璧に隠してきたはずなのに)

(基山くんが話すとは考えにくい)

悶々とあれこれ考える私にさらなる追い打ち
少し距離を詰められ小さい声で囁く



貴「隠さなくていいよ！気にしないから」

貴「俺とAの"2人だけ"の秘密にしよ？」



しーっと人差し指を立てるキミは目を細めた
高鳴った胸の音に気付かないふりする
そんな言葉に揺らがないように必死で

(わ、私の殿方は、成龍くんだけ！！！)

(少女漫画の台詞なんかに惑わされない)

(面構え良いだけで成龍くんしか勝たん！)

(こんな田舎者のこと好きになるはずない！！)

恋愛脳と煩悩を捨てる
私が大好きな人はこれからもこの先も1人だけ
必死な私をニコニコと見つめる君の後ろの影



稲「どうしたの？2人でなんて珍しい」

『は？』

稲「スミマセン」

冷酷マネージャーへシフトチェンジ
さっきは非常事態がために取り乱したけど

(こんな田舎者と仲良くなんて出来ない！！！！)

氷(表情コロコロ変わって面白いなぁ)

稲(さっきまで普通だったのに)


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揺らぐAちゃん、もっと揺らぎます(確定)

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