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今日の岸くんはどうやら国語の教科書を忘れたらしい。

私に見せてと言って机をくっつけてきたのはいいんだけど、
実際教科書なんか全く見てなくて、さっきからお喋りしかしてない。笑

昨日のドラマの話をぺちゃくちゃぺちゃくちゃ。

本人は小声のつもりなんだろうけど、結構大音量で…笑

先生に怒られないかな?なんてハラハラしながらも、私も楽しくてつい一緒になってお喋りに乗ってしまっていた。


そしたらついに、
「おい岸ぃぃ!!!お前うるさいぞ!!」
と先生の怒号が飛んできた。


「あ、さっせん!」


ひぃぃ、やっぱり。
けど怒りの矛先は全て岸くんに向いたようで、助かった。
巻き込み事故セーフ!


先「さっせん!じゃねぇよ岸。
教科書忘れた上に、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃうるさいとは」


「さーせん!まじ許してくださいよぉ!」


先「もー全く岸はぁ。しょーがねーな、今回だけだからな?」


「はい!あざっす!先生優しいっすね!」


先「もう、お前は可愛いなぁー。」


さすが岸くんの愛され力!

怒ってた先生の怒りが鎮まった。

それどころかすっかり先生ニコニコしてるじゃーん!笑


先「でも岸!白石にやたらちょっかい出すんじゃねーぞ?笑」


『え?』

先生はニヤニヤしながら言う。


そしてクラスメイトたちも何だかニヤニヤしながらこっちを見てくるような気がするのはきのせい…?


先「白石!お前も岸には気をつけろよ?笑」



『は、はい…?』



「ちょっ先生!やめてくっさいよ!
そこは秘密っすよ!まじ焦りますって!」


岸くんめちゃくちゃ焦ってるし、みんなニヤニヤしてるし、秘密ってなになに!?


よくわかんないけど、岸くんのせいで私が巻き込み事故に合いかねないって話かな?

まぁ結局のところ、怒られたのは岸くんだし、私に被害はなかったから別にいいんだけど。


そんなこんなで面白い岸くんのお陰でクラス中が和んだところで、ふと左隣から視線を感じた。

振り向くと紫耀と目が合う。

クラス中が笑いに包まれている中、彼の目は何故か笑っていなくてどこか切ない目をしていた。

だけど私と目が合うと、すぐに逸らされてしまった。


なんか怒ってる?

ごめん、岸くんとお喋りしすぎてうるさくてやっぱり隣の紫耀には迷惑だったよね。

もう紫耀は平気で授業サボったりしてた中学の頃とは違って、真面目に勉強してるんだもんね。

気をつけないとな。

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作者名:かぷりこ | 作成日時:2017年10月18日 0時

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