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昼休み、いつものように梨花とお弁当を食べていた私の元に、信じられないけどまたもやあの人が現れた。


「Aー!ちょっとやばいよ!!
顕嵐先輩がAのこと呼んでるよ!!」

とすごい勢いでクラスの女の子が私を呼ぶ。



はい!?

顕嵐先輩が何の御用でしょう…?




少し教室から離れたところに連れていかれて。


「Aちゃん、急に呼び出してごめんね?」


『はい…』



あーもう、キラキラ過ぎて眩しいよ。




「突然なんだけどさ、今日俺と一緒に帰らない?」



ちょっと待ってください!!

なんで私!?



『いや、あの、私なんかが顕嵐先輩となんて、申し訳なさ過ぎます』


「なんでそんなこと言うかなぁ。俺はAちゃんと帰りたいの!」



『いや、でも、今日は他の人と帰る約束してて…』


そうだ。紫耀がアイス奢ってくれるって


「だれ?」


『紫耀です』


「じゃあ今日だけでいいよ。今日だけ俺と一緒に帰るってのは?」


『でも…』


「あのさ、実は俺さ、変な追っかけの女子につきまとまれててさー
今日はどうしても早く家帰りたいからさ、誰か彼女の振りでもしてくれないかなって。」




え、私が顕嵐先輩の彼女の振り!?


普通に考えて私みたいな地味な女が彼女な訳ないじゃん。


確実に頼む相手間違えてるよ…




『女の子なら…私じゃなくて別の人でもいいんじゃないですか?』


「いや、それがさ、Aちゃんってすげー可愛いからさ。これくらいの美人さんじゃないと、追っかけの奴ら黙らせられないからさー」



いやいや、完全におかしいでしょ!


先輩の目は節穴なの!?



『いや、それは…』


「お願い!!一生のお願い!!
今日だけでいいから!!この通り!!
俺ほんとつきまとう女子たちが怖えーんだよ」



そこまで言われるとさすがに断れなかった。


私は先輩のただのボディーガードという体で、今日は顕嵐先輩と帰るしかない。



『わかりました…』






あーあ、怖い怖い。

変な女子に妬まれたら、厄介だなー

ただでさえ紫耀と幼馴染みってだけで周りの視線が怖いのに、顕嵐先輩とも一緒に下校してるのがバレたらほんとにもう…



紫耀にも謝らなきゃ…

怖いなー昨日も途中で逃げちゃったし、
紫耀怒るかなー

しかもあの顕嵐先輩とだなんてちょっと言いにくい…

だって私は紫耀が好きなんだもん。

変な誤解されても困るもん。




だけどこの時の私は、
なんて呑気だったんだろう…

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作者名:かぷりこ | 作成日時:2017年10月18日 0時

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