私のヒーロー (ページ32)

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「A、コンビニ行こうや！」

そう言って紫耀は次の日私に例のジュースを買ってくれようとした。

『あの…ごめん、それ昨日もう飲んじゃったの』

「まじ？どんだけ待ちきれんかったん(笑)
自分で買ったん？」

『あ、いや、岸くんが買ってくれて…』

「え！？岸くんが！？
あのドケチな岸くんが！？
一体何が起こったん？今日ヒョウでも降るんちゃう？？」

『昨日ね、岸くんの部活の見学に誘われて、その後一緒に帰ったの。
それで、見学来てくれたお礼にって、帰りに買ってくれて…』

『あ、なんか、びっくりだよね(笑)
あの岸くんが奢ってくれるなんてね！』

『紫耀が奢ってくれるって言ってたのにね。まさかの岸くんが紫耀の代わりにだよ？笑
あ、あのジュースね、案外普通の味だった！普通に美味しかったんだけどね！』

なんでだろ。

異様に饒舌になる私。

恐る恐る紫耀の顔をみると、いつもの顔でちょっと安心した。

「そっかぁ～俺の代わりに岸くんがAに買ってくれたんやな。良かったなぁ？」

そう言って私の頭をポンと叩く。

あれ？今の少し嫌味入ってた？

「なぁなぁ？」

『なに？』

「バスケしてる岸くんカッコ良かった？」

『あ、うん、まぁ。岸くんすごい頑張ってたよ！』

「ふーん、そうなんやー」

自分から聞いてきたくせに、すっごい興味なさそうに返事をする。

「じゃあさ…、俺とどっちがかっこいい？？」

え？

『いや、別に私は紫耀のバスケしてるところは見てないから比較にならないよ？』

上手くいい逃れるけど、

「うん。そうやな。じゃあ質問変えるわ。

俺と岸くん、どっちが好き？」

え、、、

なんでそんなこと聞くの？

『まって、好きってどーゆーこと？
岸くんも大切な友達だし、紫耀も大切な幼馴染みだし、その質問は難しいよ』

私はまたもや少し逃げるような回答をした。

「そっか。俺もAのこと、大事な幼馴染みやで？
やけど、俺な、」

紫耀は私の腕をつかんだ。

「俺、Aのこと…「あれ？紫耀じゃん！！」

どこからか声がした。

「あ、おう！びっくりした！ジンかよー」

どうやら紫耀の友達らしい。

紫耀は慌てて私を掴んでた手を離す。

「なになに？紫耀の新しい彼女？」

「ちょっ、ジン！余計なこと言うなって。
こいつは俺の幼馴染みで、A。

で、こいつは、俺の塾の友達の神宮寺ってやつ。」

人見知りの私は紫耀の後ろから少し顔を出して会釈した。