私のヒーロー (ページ21)

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放課後になるとすぐに隣の紫耀が
「A～はよ帰ろうやー！」って私を急かす。

何だか、最近の私に占める紫耀率はすごく高い気がする。

朝一緒に登校して

一緒に英語係して

授業中ずっと席は隣で

帰りも一緒に帰って

つい一週間前とは比べ物にならないくらい紫耀と過ごす時間が増えた。

だけどそれと同時に、そいえば岸くんと会話する時間が減ったような…？

前は四六時中私に話しかけてきて正直ウンザリすることもあるほどだったのに。

最近の岸くんはやけに静かだ。

というか、私に対してよそよそしい。

それは私が最近紫耀と仲良いから？

ちょっと寂しいな、、

そんなある日
私は廊下でばったり会った勝利くんに話しかけられた。

「Aちゃん！久しぶり！」

勝利くんとは去年同じクラスだったんだけどクラス替えしてから久々に話した。

「あのさー、Aちゃんって平野紫耀と付き合ってんの？」

凄い爆弾を投入する勝利くん。

『え！？付き合ってないない！』

「ほんとにただの幼馴染みってだけ？」

え、勝利くん、

私たちが幼馴染みってとこまで既に知ってるのね。

『そうだけど？なんで急に？』

「あ、いや、何となく？」

何となくって何よ

「とりあえず平野のことAちゃんはどう思ってんの？」

『どう思ってるって言われても…
昔からよく知ってて、あ、いや、昔のことはよく知ってて、最近また仲良くなって、案外昔と変わってないなーなんて思ったり、、』

何が言いたいのか分からなくなってきた。

『と、とにかく、やっぱり何だかんだ紫耀は私の良き理解者だな～みたいな？』

そうそう。

あんな冷戦期もあったけど、やっぱり紫耀は私にとって特別な気がする。

特別というのは、なんていうのかな？

昔から素性を知ってるからこそ
何があっても信頼できるっていうか
信頼してもらえてるっていうか
お互いに安心感がある気がするんだよね。

「ふーん。で？」

『で？』

「だから、結局好きなの？平野のこと」

『す、好き！？
違う違う！！紫耀のことはそういう好きじゃないよ？』

「なるほどね。まぁいいや。」

『ねぇ、急にそんなこと聞いてきてどうしたの？』

「いや、まぁ別にいいじゃん？」

『いや、でも気になるじゃん？笑』

「えーまぁ、俺の親友に関わる話ってとこかな」

『はい？どういうこと？』

言ってることの意味がわからなかったけど、勝利くんは「あ、行かなきゃ」と行ってしまった。