ボーダー隊員は呪いの世界へ (ページ8)

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呪霊7匹目[No side] ページ8

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「すぅすぅ」

任務を終えた後、東雲は眠ってしまい車内では沈黙が流れ、先に壊したのは棗だった

「禅院の嬢ちゃんよ、今日の嬢ちゃん…東雲は如何だった？」

「名前でいい…はっきり言って強い。刀1本だけで1級、更に特級を一撃で祓ったんだ。流石特級と呼ばれる価値はある」

「ははっ！だろっ？嬢ちゃんは強ぇんだ。何なら、五条の坊に継ぐ強さだ」

愉快に笑っていた棗はミラー越しで東雲を見ていた。それは、親が子を見るような目だった。それを見た真希は棗に聞いた

「なぁ、棗さんと東雲はいつ出会ったんだ？東雲が言うにはは10ヶ月前って言っていたが」

「嗚呼あっている。実は補助監督になる前、俺は2級術士だったんだ」

「はっ!?」

「あれは俺が任務先で依頼をしていた時だった、その時の報告では2級の筈だったが」

棗は一度目を閉じ、あの時の光景が脳裏によぎった

『ちっ！俺もっ、ここっまで、かぁ…ははっ！ざまぁねぇ、なっ』

目の前には本来2級であった呪霊が、報告と違い1級であった。もう駄目だと思ったその瞬間

ｻﾞｼｭｯ！

『無事ですか？今、反転術式を使います』

自分よりも一回りも二回りも小さい少女が、たった一撃で祓ったのだ

「あの時は本当に良かった。もし、嬢ちゃんが来ていなかったら俺は今頃死んでいたさ」

棗から話を聞いた真希は今も穏やかに眠る東雲を見詰めた

「それからだ、呪術師として活動するのが難しくなり、それなら嬢ちゃんの補助監督専属になりたいと思ったんだよ。少しでも恩を返したくてな」

「んっ…すぅすぅ」

「しかも嬢ちゃんはさ、五条の坊に連れられる前は呪霊は普通に視えていたし、5つも満たない頃から特級呪霊と契約しているんだよ」

そんな幼い頃から呪霊と契約している事に驚いた真希は思わず声を出してしまい、東雲が寝ている事を思い出し、急いで口を塞いだ

「はっ!?あっ……」

「それくらいで嬢ちゃんは起きねえよ。嬢ちゃんがこうやって無防備に寝ていられるのは、契約している呪霊のお陰なんだ」

「あ、さっきの黒いやつか？」

棗に言われて真希は先程呪霊に捕まった時直ぐに救出され、黒いものに覆われていたのを思い出した

「そうそう。特級仮想怨霊影法師、通称影だ。それに、嬢ちゃんはな特殊な力持ちでよ、勘が鋭いんだ」

「それで、迷わず呪霊に行けるんだな」

「そういう事だ。これからも、嬢ちゃんをよろしくな」

「…気が向いたらな」

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