ボーダー隊員は呪いの世界へ (ページ33)

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呪霊31匹目ページ33

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『千尋ちゃん』

余りにも早く気付いてしまった。私が憂太に向けている想いを…馬鹿だな(この間0.5秒)

「いない」

「即答かよ」

面白くねぇな、という真希には悪いけど。私には到底この想いは叶わないし、伝えるつもりもない

「んじゃ、恋人とか、結婚とか考えた事は？」

「ないね。この業界だし、いつ死んでも分からないからね。出来たとしても、もし仮に私が死んで愛する人を独りにしてしまったら、可哀想だもの」

「…そんな悲しい事言うなよ」

「もしも、だよ？それに、真希達と一緒にいたいからね」

「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか！」

顔を赤くして照れている真希を見て、今世の親友に嘘をついてしまった罪悪感が湧いた。次の日、学校に行けば五条先生に呼び止められた

「あ、千尋〜何か、本家の人達が急いで帰って来いって連絡が来たよ〜」

「本家、の人達がですか？」

本家は割と気に入っている。呪術師になった私を何かと気にかけてくれて、色々とお世話にもなっているし。何より、家そのものが腐ってないから

「そう。何でも緊急事態で」

「分かりました。今から、行きますね」

「了解♪」

何故だろうこの胸騒ぎと嫌な予感は。勘も何か訴えているし、早く本家に行かなくてはと、ワープすれば

「ごめんなさい千尋ちゃん！行成、呼び出してしまって」

「大丈夫ですよ、この家にはお世話になっていますから」

この人は、東雲家にお仕えする朱里さんだ。朱里さんは、早速私を御当主がいる部屋まで案内をしてくれた

「それでは」

朱里さんが去っていったのを見て、私は襖に一言声をかけ顔を下げながら中に入り、挨拶をする

「失礼します。東雲千尋、只今戻りました」

「すまないな、行成呼び出して」

「いえ、本家にはお世話になっておりますから」

「顔を上げろ」

当主からの許可を得て顔を上げれば、それぞれの分家の家督の人達が座っていた

「何か、ありましたか？」

「察しがいいな」

本来分家が集まるのは正月くらいだ。正月にはまだ早い、のに集まっているのはそれ程重大な問題が起こっているのか

「実はお前に結婚がきた。勿論、私は反対したし断った。他の皆もそうだ」

「そうそう、可愛い千尋ちゃんに何処ぞの馬の骨も分からない奴に渡すかって」

「東雲家の誇りをそう簡単に嫁にだすなんて、俺は嫌だからな」

そう当主が言えば他の人達賛同してきた、本当に私は周囲に恵まれている

「だが」

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