夕飯と真波 ページ9
「わぁ、可愛いね〜」
「葦木場先輩」
身長が150の私には、190cmの葦木場先輩を見上げるのに首が疲れるのだ
「ほんと似ているなー、お前と弟」
「そうだね、目の色もそうだけど、仕草が一致しているよ」
「ね〜」
似ている?私と聖、が?之は、いい方向にいっているのか?
「有難うございます」
「てか、お前、どうやって帰るつもりだ?」
「あー、」
片腕は聖のリュック、もう片方の腕には聖を抱き抱えている。家までに帰るのに一苦労だ
「あ、俺、手伝うよ!」
「いいのか?真波」
「全然!神楽さんには色々とお世話になっているし、荷物持ちするよ」
「それなら当然だね、普段の分頑張ってもらうから」
真波に聖のリュックを預け、自身のリュックを前にし、聖を背負う
「では、お疲れ様でした」
「お疲れ様でした〜」
「また明日〜」「おう、またな」「気を付けて帰るんだよ」
先輩達に見送られ、真波と横に並んで歩く
「にしても珍しいな」
「何が?」
「真波が送ってくれる事、何時も直ぐに帰るじゃん」
「あ〜今日、親が家にいないから、遅くまで残って時間を潰そうかなって思ってたんだよね〜」
そう言う真波の横顔は何時ものヘラヘラした顔だったが、何処か寂しげだった。その姿が自称エリートと被っていて放っておけなかった
「…ウチに来る?荷物持ちの御礼に夕飯、作るよ」
「マジで!?行く!行く!!神楽さんのお弁当美味しかったからさ!」
「分かった分かったから、聖が起きる」
小さい子のように喜ぶ真波に、無意識に自身の口端を上げていたのを私は気付かなかった
「出来たぞ、夏限定の野菜カレー」
「おお!」
あの後、家に着く頃には聖も起きて、2人して洗面台に行き手を洗っている間に私は、夕飯の支度をする。今日の夕飯は野菜カレーとサラダに鶏塩スープだ
「美味しい!」
「でしょ?!姉さんの作るご飯は全部美味しいんだ!」
こんなにテンションが高い聖を見たのは初めてだった。何時も私がいる時は、オドオドしていて余り自分の主張を言わないのだ
「そう言えば、神楽さんの両親、いないんだね」
「結構前に亡くなったからな。親代わりみたいな人は今、離れて暮らしている。だから、この家に住んでいるのは私と聖だけだ」
「え、」
「別に気を使わなくていい。何時か知られる事だし、今更気にしていない。それより、今迄通りに接してくれると助かる」
そう言うと真波は勢い良く肯定した。その後は、真波の姿が見えなくなるまで2人で見送った
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作者名:白狐 | 作者ホームページ:nhatev-hdfs hosi1
作成日時:2022年7月11日 14時