ボーダー隊員は自転車競技部へ (ページ12)

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合宿② ※ホラーページ12

「神楽さん！」

暗い廊下で此方に襲いかかる“ナニカ”、何でこうなったんだっけ？遡るは30分前

「ん〜」
「如何した、真波？」

合宿所のロビーのソファーで座っている真波に声をかけると、レギュラー達も必然と近寄って来た

「いや〜さっき山で東堂さんと走っていたら、女の人の声が聞こえてさ〜思わず振り向いちゃったんだけど、誰もいなくて。それで、な〜んか忘れないんだよね〜」
「ふむ、それなら俺も聞いたな」

山、女、誰もいない…はぁ、確定したな。ターゲットは東堂先輩と真波、か。却説、どうするか。というか先程、白さんから連絡来たから最低限の物は持った

「ミｨツｹｪタ」

その時、耳がキーンとなると同時に女の金切り声が聞こえた

「え？何、此処？何処？」

次に目を開けた時は、薄暗い教室に立っていた私と真波。辺りを見回して見ると、身に覚えのない学校。どうやら、先程の現象の所為で何処かに飛ばされたのだろう

ガタッ

「ちょっ、神楽さん!?」

後ろから慌てる真波を無視して私は掃除ロッカーを開けて、箒を取り出し、モップを外す

「此処が何処か分からない以上、何か武器がないと不便だろ。真波は身軽でいい。それより、他に何か荷物とか持っていないのか？」
「え、えっと」

出てきたのは携帯だけ、まぁ、何となく想像はしていたからな

「一先ず、他に人がいないか探しに行こう」
「え、他って」
「さっき、意識を失う前は近くに先輩達もいた。それに、真波が聞こえた女の声を東堂先輩も聞こえていたなら、この建物の中にいる」

真波の片手に厄除けの御守りと水晶のストラップを握らせ、空いている片手を握り、教室を出る

「真波、私から離れるなよ」
「う、うん」
「私はこの現象を知っているし、元凶も凡そつく。だが、それには情報が余りにも少なすぎる、その為には先輩達と合流しなければならない」
「う、ん」
「だから、真波は私に守られていろ。大丈夫、先輩達も守るし、必ず元の世界にも帰す」

後ろは振り向かないで其の儘引っ張りながら歩くと、曲がり角から聞き慣れた騒がしい声が聞こえた

「真波、先輩達が角から来る。どの先輩でもいい、しがみつけ」
「か、神楽さんは？」
「私は…」

角から飛び出て来た先輩達を飛び越える

「うおっ!?」
「っ危ねぇ！そっちには!!」

先輩達の後から出てきたおぞましい“ナニカ”が出て来た瞬間に、棒で振れば、確かに斬った感覚があった

ｻﾞｼｭｯ！

「此奴らの相手をする」