ちゃっかりさんと彼女さん3 (ページ6)

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けんか② ページ6

『…ただいま』

けんかしてから家を出て、
夏にアイクさんと花火をした公園で
頭を冷やして帰宅した。

…ちゃんと自分から謝ろう。

そう思ってたのに、
いつもおかえりを言ってくれる
アイクさんは家にいなかった。

『…アイクさん？』

とうとう、アイクさんも怒って
出て行ってしまったのか。

今日の私は、
愛想を尽かされても仕方がないような
態度しかとっていない。

ついこの間までは、一人暮らしだったのに
アイクさんがいないと、家でひとりでいる時間がとても寂しく感じる。

…早く謝りたい。
いつもみたいに一緒にゲームがしたいよ。

そう1人で考えてると、玄関が開く音がした。

私は、急いでその音がした方へ向かった。

『アイクさん！』

ア「Aさん！帰ってきてたんですね」

『え？』

帰ってきたアイクさんは怒っていなかった。
しかし、とても汗をかいている。

ア「帰りが遅いので、心配しました」

『…もしかして、私を探しに行ってたの？』

ア「…まあ、そうですね。」

私が、悪いのに。
勝手に怒って、出て行った私をアイクさんは
汗をかいてまで、探してくれたんだ。

そう思うと、胸が痛くなり
私は勢いよくアイクさんに抱きついた。

ア「わ」

『ごめんなさい。』

ア「…いいんですよ。ただ、帰ってこないと自分は心配します。それは覚えておいてください。」

そう言いながら、私の頭を撫でる
アイクさんの手は優しい。

『アイクさんは悪くないから怒っていいんだよ～』

ア「怒りませんよ。…って、え！？なんで泣いてるんですか！？」

だって

『アイクさんに愛想尽かされたかと思った』

ふふふw とアイクさんは笑う。

ア「このくらいで愛想尽かすようなら、
Aさんと付き合えませんよw」

ん？

…若干、馬鹿にされてる？

そんな気もするけど、
アイクさんが笑ってくれてるし、
まあいっか。

けんかは辛かったけれど、
私はアイクさんのことが大好きだって
再認識できたのだった。