孤食ロボット《ar》 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:4,883 hit

2 ページ2

.

授業が終わってやっと家に帰る。

小さいマンション。

暗い部屋にパチッと灯を灯す。

この暗い部屋、帰ってくるといつも寂しく感じる。

誰もいない、寂しい部屋。

実家に住んでた時は帰ったら必ずお母さんがいたからこんな気持ち味わったこともなかった。

テーブルに鍵を置くと、手を洗って夕飯の準備を始めた。

料理することは嫌いだ。

だけど毎日外食や弁当だったら体に悪い。

ちゃんとバランス取れた食事しろっていつもしつこく母親に言われてるから。

今日は生姜焼きを作ることにした。

＿＿＿＿＿……

___……

出来たー！

お皿に生姜焼きとレタスを盛り付けて、味噌汁と漬物をテーブルに置く。

一人暮らしを始めてから料理が上手くなった。

でも私だけが感じているだけで、他人が食べたら不味いって思われたりして。

私の料理、まだ誰にも食べてもらったことがないから、他の人の意見も聞きたかった。

「いただきます…」

誰もいない部屋に一人ぼそっと呟く。

すると家のインターホンが鳴った。

宅急便かな？

そう思ってドアを開けると、目の前にいたのはイケメンだった。

わあ、この地域の宅急便の人、このイケメンに変わったのかな？

でも、私は印鑑を用意していたのにいつまで経っても箱を渡してこない彼。

よく見ると、箱すら持っていない。

この人、一体…

私はふと今日のことを思い出した。

『孤食ロボット』

まさか、ね？

あんなのただのミナの夢。作り話。

「あの？」

？「あなた山﨑A？」

「ええ、そうです。」

普通に喋る彼。

ロボットだったらもっと変な喋り方してるもんね。

よし、これで確定。この人はロボットじゃない。

大貴「俺は有岡大貴」

「？」

なぜ名前名乗った？

大貴「今日から山﨑さんの家で過ごさせてもらいます。」

「はい？」

何この人。変人？

変態？！

やばい人が来たと思い、私は家のドアを閉めようとした。

すると有岡大貴と名乗る彼は口を開いた。

大貴「孤食ロボットです。」

その単語を聞いて、私は扉を閉めるのをやめた。

孤食ロボット。

本当にいたの？

ミナが話してたことって全部本当だったってこと？

大貴「一人で食事を取る寂しい人に送られるアンドロイドでございます。」

本当に孤食ロボットは存在していた。