天下無敵の敗北 (ページ19)

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十九話ページ19

鈴木は右手をピンと挙げて、目をキラキラさせた。後輩ができたことが嬉しいらしい。

「鈴木京介！二年でDFやってます！」

「はい！鶴野冬馬！同じく二年でDFです！」

にへら、と同じように笑う二人。双子かな、というくらい言動がそっくり。性格も似てるから、二人の連携プレーはすごいものだ。

「宮野渚です。ポジションはDFです」

「渡辺維月、DFっス」

常識人の宮野と、フレンドリーな渡辺。宮野はこの個性あふれる二年生をまとめられるリーダー的存在。渡辺くんは緊急用。意外と説得力があるのが不思議な子だ。

「ディフェンス、全員二年生なんですか？」

栗山くんが手を挙げて質問をした。僕は頭をかきながら苦笑いをして質問に答えた。

「そう。三年のディフェンスと二年のフォワードたちがみんな辞めちゃって」

「大丈夫なんです？それ」

棘のある神楽坂くんの言葉が僕たちに刺さった。二年生が実力不足だとは言わない。だけど、辞めていった子たちの中には大きな戦力になっていた子もいるから、それは僕たちに痛手だった。

「そうだよね。僕らも去年ベンチだったし……上手い子も沢山いたから、守れるか心配」

「冬馬……」

しょんぽりと気を落とす鶴野を、鈴木が大丈夫だとフォローに入った。僕たち三年は、そんな二人に返せる言葉はなかった。