天下無敵の敗北 (ページ17)

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十七話ページ17

入部届を見て騒いでいた僕たちのところに、顧問の先生がやってきた。あまり騒ぐのを好まない先生は、うるさいと言ってから部室の扉を全開にして誰かを招き入れた。

「新入部員。佐伯。あとよろしく」

簡潔に用だけを伝えると、すぐに出て行った。一年の頃から思っていたけど、先生のモチベーションの低さも問題ある。校長先生に言ったら、なんとかしてくれるだろうか。

「えっと、とりあえず……ようこそ！日向高校サッカー部へ！僕がキャプテンの佐伯Aです。よろしくね」

招かれた二人の新入部員が頭を軽く下げた。うーん。このテンションはダメかな？先輩たちがいた時は大ウケしたんだけど。

「自己紹介、お願いしてもいいかな？」

こくりと頷いて、一人ーーーあの子が前に出た。

「栗山将太です。ポジションはMF。よろしくお願いします」

栗山くんは爽やかなイケメンスマイルを僕たちに向けた。僕たちはそれを嬉しく思って、よろしく、って返した。
でも隣にいる、おかっぱ頭で肌白く、切れ長のオニキスの瞳をした、こちらもまた整った顔立ちの子はため息をついて少し嫌そうにしている。

栗山くんの自己紹介が終わって次はおかっぱの子。

「神楽坂弓弦。ポジションは同じくMF。よろしくお願いします」

声も顔に似合うような、優しく気品があふれていた。